報告

 

会員業務部に係るアンケート調査結果の報告

 
 近畿会会員業務部では、個人で開業されている会員の業務状況についてその実態調査を行いその結果を分析して報告することが、既に個人で開業されている会員についてはもちろんのこと将来の独立を計画されている会員など、多様な将来プランをお考えの近畿会の会員に対して有意義な情報を提供できるのではないかとの考えから、アンケートによる調査を実施しました。
 アンケートは監査法人に勤務されている以外の会員で個人事務所を開設されている近畿会の会員を対象に行い、発送907件に対して255件の回答を入手し、回答率は28%でした。
 アンケートの目的よりお伺いしたい事項はたくさんございましたが、あまりに多くのアンケート項目は回答にお手を煩わせることになるとともに、結果の分析と報告においても重要なポイントを浮き彫りにする妨げになってはならないとの判断から、質問項目は限定的に選択するとともに、分析結果の表現についても文章とともに視覚的に状況をご理解いただくために円グラフ等を用いました。
 報告は最初に質問1から質問12までの個々の質問に対する回答の状況とそれについてのそれぞれのコメントを記述し、最後にそれらを総合してのコメントを述べるという構成になっています。
 特に、これらの報告は監査法人勤務から独立して個人事務所を開業されたばかりの会員あるいは将来の独立開業をお考えの会員にとって今後の収入や業務の展開の見通しについて大いに参考になるものではないかと考えています。
 最後になりましたが、お忙しい最中に我々のアンケートにご協力いただきました近畿会会員の皆様には心より感謝の言葉を申し上げます。
2004年3月

日本公認会計士協会近畿会 
会員業務部部長
 在本 茂

 

質問1 あなたの御年代は?
  @20代 A30代 B40代 C50代 D60代 合計
回答者数 0 44 45 67 99 255
0% 17% 18% 26% 30% 100%
 アンケート配布数907件に対し、255人の会員から回答を得、回収率は28%となった。
特に50代・60代の回答が多かった。

 

 
質問2 監査法人等勤務をやめて何年ですか?
  30代 40代 50代 60代 合計
@3年未満 13 3 1 3 20 8
A3年以上、5年未満 8 6 1 9 24 9
B5年以上、10年未満 22 12 5 8 47 18
C10年以上、15年未満 0 17 9 11 37 15
D15年以上 0 7 47 38 92 36
E回答なし 1 0 4 30 35 14

合 計

44 45 67 99 255 100
監査法人等の勤務をやめた年数から逆算すると、やめる時期は、20代、30代が多く、
40代以降にやめる割合は少なくなっている。

 

 
質問3 主にどのような形態で仕事をしていますか?
  30代 40代 50代 60代 合計
@事務所を開設 34 39 62 85 220 61
Aパートと個人の仕事両立 14 15 8 4 41 11
B新規公開企業に就職 3 0 1 0 4 1
C取締役及び監査役 8 11 14 19 52 14
D大学教授等 2 5 5 2 14 4
Eその他 3 2 2 19 26 7
F回答なし 0 0 0 4 4 1

合 計

64 72 92 133 361 100
各年代とも事務所を開設している会員が多いが、30・40代に多いパート勤務が50代
以降減少し、代わって会社の役員に就任している会員が多くなってきている。

 

 
質問4 現在の業務内容の構成は?
(1)監査 (2)税務 (3)公開支援業務
0〜25 26〜50 51〜75 76〜100 0〜25 26〜50 51〜75 76〜100 0〜25 26〜50 51〜75 76〜100
30代 18 6 5 2 3 10 11 17 4 1 1
40代 30 8 1 6 11 9 16 2 2
50代 35 4 1 7 15 16 26 4 1
60代 35 16 1 6 15 17 50
(4)コンサルタント (5)講 師 等 (6)役員報酬、給与等
0〜25 26〜50 51〜75 76〜100 0〜25 26〜50 51〜75 76〜100 0〜25 26〜50 51〜75 76〜100
30代 12 2 3 3 1 3 3 1 1
40代 10 3 1 1 7 1 10 3 1 2
50代 13 8 1 1 8 1 15 5 1 4
60代  9 6 1 6 1 18 6 2
全体として、各年代とも税務業務が中心で、次いで監査業務、役員就任等となっている。 しかし、コンサルタント、公開支援業務に特化している会員も若干いる。
 
 
質問5 現在の収入は?
  30代 40代 50代 60代 合計
@1億円以上 2  3 6 9 20 8
A5000万円以上、1億円未満 2 6 20 11 39 15
B3000万円以上、5000万円未満 2 9 15 16 42 16
C2000万円以上、3000万円未満 2 4 9 14 29 11
D1000万円以上、2000万円未満 18 16 14 21 69 27
E500万円以上、1000万円未満 14 6 2 12 34 13
F500万円未満 3 1 1 14 19 7
G回答なし 1 0 0 2 3 1

合 計

44 45 67 99 255 100
収入が「1,000万円以上、2,000万円未満」の会員が一番多いが、」全体としては分散
している。40代から50代までは収入区分が増加しているが、60代になると収入レベル
にバラツキがみられる。

 

 
質問6 1日当たりの報酬はいくらですか?
  30代 40代 50代 60代 合計
@8万円以上 0 1 0 0 1 0
A7万円以上、8万円未満 0 1 2 1 4 2
B6万円以上、7万円未満 0 2 4 0 6 2
C5万円以上、6万円未満 9 6 1 5 21 8
D4万円以上、5万円未満 5 8 1  1 15  6
E4万円未満 6 1 1 1 9 4
F回答なし 24 26 58 91 199 78

合 計

44 45 67 99 255 100
回答数が少なかったのは、「1日当たりの報酬は」という質問であったため、主にパー
ト勤務の会員が回答したと思われる。そのように考えるとパート報酬は、1日あたり
「5万円以上、6万円未満」が回答者の8%と一番多い。

 

 
質問7 仕事量は1日平均どれくらいですか?
  30代 40代 50代 60代 合計
@7時間未満 6 15 15 53 89 35
A7時間以上、10時間未満 28 23 42 25 118 46
B10時間以上、15時間未満 8 6 6 3 23 9
C15時間以上 1 1 1 0 3 1
E回答なし 1 0 3 18 22 9

合 計

44 45 67 99 255 100
30代から50代にかけては「7時間以上、10時間未満」が多いが、60代になると「7時間
未満」が同年代の回答者の65%にも達している。また、10時間以上働いている会員も
回答者全体の10%いる。

 

 
質問8 休日はどれくらいですか?
  30代 40代 50代 60代 合計
@週休2日 18 18 35 51 122 48
A週休1日 5 11 19 15 50 20
B休み無しが多い 5 5 2 5 17 7
C不定期である 4 11 10 21 46 18
D回答なし 12 0 1 7 20 8

合  計

44 45 67 99 255 100
約半数が「週休2日」であるが、「週休1日」の会員も20%おり、「休みなしが多い」とい
う激務の会員も7%いる。

 

 
質問9 クライアント獲得活動はどのようにしておられますか?
30代 40代 50代 60代 合計
@客先からの紹介 27 32 53 56 168 43
A会合などの出席 14 13 14 11 52 13
B銀行など金融機関からの紹介 7 12 17 12 48 12
C企業情報からの電話や訪問 3 1 3 1 8 2
D同業者からの紹介 11 9 10 4 34 9
E顧客からの電話や訪問 4 4 7 12 27 7
F回答なし 7 7 9 32 55 14

合 計

73 78 113 128 392 100
各年代とも、一番多いのが、「客先からの紹介」で、客先との信頼関係を築くことが
重要と思われる。次いで、30代・40代は「会合などの出席」が多いが、50代・60代に
なると、「銀行など金融機関からの紹介」の方が多くなっている。

 

 
質問10 クライアントは何件もっていますか。
  30代 40代 50代 60代 合計
@5件未満 4 5 3 7 19 7
A5件以上、10件未満 9 4 2 4 19 7
B10件以上、20件未満 10 6 3 17 36 14
C20件以上、50件未満 6 11 20 26 63 25
D50件以上、100件未満 6 12 16 20 54 21
E100件以上 4 6 23 15 48 19
F回答なし 5 1 0 10 16 6

合 計

44 45 67 99 255 99
50代まではクライアント数が増加していき、100件以上持つ会員が50年代の回答者
の34%に達している。しかし60代になると、仕事をセーブしているのか、「20件以上
〜50件未満」が中心となっている。

 

 
質問11 職員を雇用していますか。
  30代 40代 50代 60代 合計
@0人 23 13 4 16 56 22
A1人〜3人 9 20 26 40 95 37
B4人〜10人未満 9 12 29 22 72 28
C10人以上 2 0 8 5 15  6
D回答なし 1 0 0 16 17 7

合  計

44 45 67 99 255 100
30代は雇用「0人」が同世代の回答者の過半数を占めるが、40代から50代にかけて
は、雇用人数が増加しており、全体として事務所の規模が大きくなっていると推測さ
れる。しかし、60代になると「1人〜3人」が同世代の回答者の48%となっている。

 

 
質問12 独立後何年で、所得が勤務時を超えましたか?
  30代 40代 50代 60代 合計
@超えていない 11 5 2 12 30 12
A1年〜3年 26 27 38 24 115 45
B4年〜6年 3 9 18 11 41 16
C7年〜10年未満 1 2 4 7 14 5
D10年以上 0 0 1 19 20 8
E回答なし 3 2 4 26 35 14

合  計

44 45 67 99 255 100

 
独立後「1年〜3年」で勤務時の所得を超えた会員が45%と多いが、「10年以上」要
した会員も8%、まだ「超えていない」会員が12%いる。
まとめ
 個人事務所等を開設されている会員よりのアンケートの結果に関して以下の特徴がうかがえます。
 収入に関しては、収入が1千万円以上の方は、30代で60%、40代で90%、50代で95%となっております。30代で個人事務所を構え、40代で事業が軌道に乗ったといった会員が多い様子がうかがえます。
 また、クライアントの獲得は客先からの紹介が一番多いという結果でしたが、これは、公認会計士として質の高い仕事内容が評価されての事であろうと推測されます。また、会合等の出席を通じての紹介も多数を占めておりますが、自己PRを行って信頼を得ることが、仕事を獲得する近道だろうと思われます。
1日の仕事量も全般に多く、毎日7時間以上労働されている方が半数以上を占めるなど御活躍の様子が伺えます。