|
|
編 集 後 記 |
|
会計士業界において歴史に残る事件続きでした。残念なことに、昨年度末、大企業の会計不祥事が相次いで発覚しました。 過去の歴史を振り返っても、不祥事は途絶えることなく断続的に発生し、その都度、世間をにぎわせています。そして、なにか事件が起こるとすぐに「監査人はなにをやっているんだ。」こんな声が聞こえてきます。そして、この声をうけて、もっと厳格に監査にあたらせるため、監査人の独立性をより強化しようという掛け声のもと、監査人に対する独立性厳格化案が制度化される。思えば、このようなことが繰り返されてきたこの10年間だったように感じます。 「監査事務所のローテーション」も、この厳格化案の最大の論点のひとつです。この問題は、日本だけでなく、欧米でも規制強化策が検討されており、国際的な論点になっています。 今月号では、澤田先生にご寄稿をいただき、「監査事務所のローテーションは監査を救えるか」を掲載させていただいております。澤田先生は、この論点に大きな一石を投じています。 独立性厳格化を極限まで推し進めて、行き着くところは、監査人に資本市場の警察・検察官の役割をさせるのか? 「もともと公認会計士の監査制度は、会社の不正を暴くためのものではない。会社に正しい決算をさせるのが本旨であり、それができなかったとき、やむを得ず事実を指摘するにすぎない。」「すべての公表される財務情報の信頼性を監査人に負担させようとすることは、結局、本来監査人が果たすべき責任範囲をも不明確にする。」文中に出てくるお言葉に感じるものがあります。 「監査事務所のローテーション」は、結局、監査人に何を期待するのか、監査の本質を考えさせられるテーマであります。みなさまは、どうお感じになりましたでしょうか? |
|
(会報部:西村 強) |