第47回 リレー随筆

思うこと

谷口 誓一

 
 河内地区会のイベントで知り合いになりました、公原博之さんのご紹介で「リレー随筆」に寄稿することになりました(少し酔っぱらった状態で引き受けたような気がします)。とはいえ、私には誇れることもなく、何を書こうかととても悩みました。過去の「リレー随筆」を拝見しますと、趣味等について寄稿している例も見受けられましたので、私の趣味について考えたところ、落語鑑賞(主にCD)、美術館・博物館巡り、劇場での映画鑑賞、街の散歩といったところであり、寄稿できるような華々しい趣味ではなく、趣味をテーマにした作文を断念しました。
 いろいろ悩んでいる内に、寄稿期限の平成24年1月20日が迫って来たため、日本公認会計士協会近畿会(以下、近畿会)のリレー随筆ということでもありますので、私の協会活動との関わりについて述べて行きたいと思います。
 私は近畿実務補習所運営委員会との関係が長いということもあって、協会活動に積極的であると言われることがありますが、実は、そうではありません。協会活動の登竜門といえば、会計士補会があるかと思いますが、当時の私はまったく関心がありませんでした。
 私は旧制度の公認会計士試験に合格しましたので、公認会計士第2次試験に合格後は会計士補として開業登録し、1年間の実務補習所と2年間の業務補助を経て、公認会計士第3次試験を受験し、合格できました。
 会計士補の時代は、早く「補」をとって、公認会計士となり「ホット」したいと洒落を言っていましたが、正にそのように思っていて、公認会計士になるために不可欠な実務補習所も真摯に受け止めて、そこでの単位取得のために、真面目に通っていました。
 1年間の実務補習所を修了したときに、当時の近畿実務補習所運営委員会から補習所のイベントの手伝いのお誘いを受け、会計士補2年目からビジネスゲームのお手伝いをすることになりました。その縁があって、晴れて公認会計士になったと同時期に、近畿実務補習所運営委員会の委員に就任しました。
 近畿実務補習所の運営委員を続けつつ、関連する本部の委員会(後進育成委員会、実務補習教材検討委員会)の委員に就任しましたが、そのころの私は近畿会との繋がりはまったくありませんでした。
 近畿会とのご縁は、今から5年前であり、近畿会幹事の就任要請を所属事務所から受けたことにより始まりました。業務の多忙さもあり、当初はお断りしましたが、「忙しいのは、皆同じ」との説得を受け、近畿会幹事に就任することになりました。
 近畿会幹事になると、部・委員会を担当することになりますが、私は国際委員会(委員長)、監査会計委員会(副委員長)を担当することになりました。監査会計委員会は希望どおりの担当でしたが、国際委員会は予想外でした。自称「浪速の会計士(こてこて)」である私が国際委員会を担当するとは夢にも思っていませんでした。当時の国際委員会の第一の仕事は、CAPA大阪大会を成功させることであり、その準備作業が任期前半の主な役割でした。当初は国際委員会委員長の任を受諾することにつき、悩みましたが、CAPA大阪大会の準備作業は一生に一度の経験になると思い、その任を受託しました。CAPA大阪大会開催のための準備作業は大変でしたが、普通では担当できない国際会議開催の裏方の仕事を担当でき、今では良い思い出で一杯です。
 近畿会幹事を3年間経験し、貴重な体験を幾つもさせて頂きましたが、所属事務所の要請で、もう一期(3年間)、近畿会幹事の就任を依頼され、現在に至っています。また、私は近畿実務補習所に大変お世話になっており、その恩返しをしたいという気持ちもあり、公認会計士開業登録以来ずっと近畿実務補習所運営委員会に所属していますが、幹事2期目就任と同時期に運営委員会委員長にも就任しました。なお、委員長就任が近畿実務補習所での最後の仕事になると思っています。
 現在、近畿会幹事としては、地区会部(部長)及び若手委員会(副委員長、ちなみに、私は若手委員会での若手の定義に入りません)を担当しています。近畿会幹事の任期は残り1年と6か月、運営委員会委員長の任期も残り1年と10か月です。ともに任期の半分程度まできましたが、有終の美を飾るべく、一生懸命頑張りたいと思っています。
 最後に、近畿会について、昔から思っていることにつき述べたいと思います。
 近畿実務補習所は近畿会・京滋会・兵庫会の3会会員により運営されています。その運営委員会メンバーは68名(専門委員含む)で、大きな委員会となっています。運営委員会のメンバーは個性豊かなメンバーであり、運営委員会会議では、それぞれ率直な意見を交わし、議論を行っています。近畿実務補習所では、3会という意識もなくスムーズに運営されているのが実態です。
 また、私の所属事務所でも、大阪事務所が関西統括事務所となっており、神戸事務所、京都事務所は大阪事務所の傘下に入って運営されています。人事異動も大阪・神戸・京都で定期的に実施されています。
 一方、近畿会は3会に分かれています。当初の近畿会は大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山の会員により構成されていたかと思いますが、何があって3会になったのか、今となっては、不思議ですが、近畿財務局管轄の地域会が3会になっている現状につき、私が近畿会の準会員になったころから疑問に思っています。一昔は、「3会合同イベントは考えられなかった」と諸先輩方からお聞きしていますが、最近の3会は研修や福利厚生にて共同で行うことが多くなってきています。会員の利便性を考えれば、これはとても望ましいことであると思います。地域会はその所属会員のためにあるのであって、特定の人々のための会ではありません。地域会所属会員のことを第一に考えた3会のあり方につき、そろそろ、真剣に考える時ではないかと、個人的には、常々、思っています。

平成24年1月20日(金)所属事務所にて