(1) 歴史・背景及び制度改革 |
● |
【日本】公益活動は古く飛鳥時代から始まっている(国分寺の建設等)。行政的側面による活動が中心。上下の考え方に基づく租税及び配分に重きを置く考え方。 |
● |
【欧米】原点は西暦917年のドイツ救貧院。キリスト教思想の考え方に基づく横のつながりによる寄付活動中心。 |
● |
【現行制度】思想や歴史背景が異なるにもかかわらず、日本は、欧米の公益法人制度を取り入れる形で明治29年、民法上規定。主務官庁の許可主義のもと、公益性の判断及び優遇税制が一体となって行われていた。このため、許可が主務官庁の主観に基づくこととなり、公益性の判断基準が不明確となった。営利類似法人等が公益法人として税制上の優遇措置を受ける問題が生じている。 |
● |
【制度改革】
現行制度の問題解消を図ることを意図して、平成18年公益法人制度改革関連三法が決定。主務官庁制・許可主義の廃止。公益性の判断は、明確な基準の法定化と、民間有識者からなる委員会に基づく統一的な基準で判断されることとなった。現行の特例民法法人は、平成25年11月30日までに、公益社法人
又は 一般法人 への移行認可申請が必要。 |
|
(2)海外動向 |
● |
【米国】中間支援組織(財政管理・資金調達 等の支援)が充実。 |
● |
【オランダ】CBF(募金中央委員会)有。すぐれた活動団体に「CBFシール」の使用を許可。 |
● |
【日本の公認会計士の役割への示唆】 |
|
@ |
社会的な活動の評価や情報提供による信頼の醸成。⇒監査又は活動の評価機関としての領域。 |
A |
自律的な経営基盤の確立⇒資金調達・財務基盤の確立に関するアドバイザリーとしての領域。 |
|
|
|
(3)公認会計士の役割 |
● |
公益法人移行申請業務に寄与可。 |
● |
寄付・融資・補助金を受けやすい体制にするため、公益法人の財務の透明性に寄与(監査、会計、税務の領域)可。 |
● |
公益法人の抱える課題(経理能力の不足、資金調達、組織運営能力の欠如)に対応したアドバイザーとしての役割(会計知識の指導、内部統制構築支援、資金調達、組織運営支援)も寄与可。 |
|
|