|
|||||||||||||||||
第18回 アジア太平洋会計士会議(CAPA)出席報告 |
|||||||||||||||||
副会長 白井 弘 |
|||||||||||||||||
第18回CAPA会議が9月6日〜8日までオーストラリアブリスベン国際会議場にて開催された。日本公認会計士協会からは近畿会会員等15名を含む約50名が参加した。 |
![]() |
||||||||||||||||
1. 全体の日程 | |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
2. 統一論題の概括 | |||||||||||||||||
統一論題の内容に関しては、北米及び欧州の経済成長が徐々に低下した結果、グローバルにおけるアジア太平洋地域(以下APACという)の地位が相対的に重要性を増してきており世界経済の牽引役としての役割を果たして来ている。今後10年間の当該地域におけるオーストラリアや中国を始めとする諸国の成長を鑑みるとAPACにおける企業を支える職業会計士は益々重要な役割を果たすことが期待されている。また、同時に監査以外に提供するサービスのあり方や企業ニーズに合ったサービスを提供していくことが重要となるであろう。 最近10年間のIT革命が産業界に大きな変革をもたらし、世界を平坦化させ、またグローバルが益々縮小していくと同時に、我々、職業会計士としても企業の事業活動に対応したグローバルベースでのサービスの提供が不可欠な時代になって来たと言っても過言ではないであろう。今後もIT分野における競争は激化し新技術や新製品の開発は産業界に大きな変革をもたらすことは方向性として間違いはないであろう。今後、IFRSベースの財務報告が統合された基準で作成されることにより、企業の活動成果がより透明性を持った高品質なものとなると同時に同一業種内の企業間の業績がより比較可能となる。しかしIFRSの導入が既に終わった国における職業会計士の役割はどのように考えていけば良いのであろう。今後の経済の変化を常に的確に捉えたより企業のニーズに合ったサービスを創造していく必要があるのではないか? 今回のCAPAでの統一論題の基本は上記のような考え方で一貫されているように感じられた。特に印象に残った統一論題4【危機回復へのリスクマネージメント及びブランド防衛維持を通じての経験談】より報告致します。 講師はオーストラリア国防省元総督のPeter J, Cosgrove AC MCであり、オーストラリアでは何回も講演会で話された有名な方であり、元軍人という経歴の持ち主であります。講演内容は国防省のトップとしていかに責任重大でかつ重要な決断をしなければならないか実際に経験した話を引用しながら、リーダーシップとは?について1時間にわたり講演されました。 |
|||||||||||||||||
リーダーシップとは? | |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
3. 個別論題 | |||||||||||||||||
個別論題については5セッション各5テーマで合計25テーマと極めて多くかつ会計監査のテーマのみならずサイバー犯罪、企業不正、ストレス解消法、人材育成、国際税務、企業価値の最大化、イスラム金融等多岐にわたったテーマが準備されており、CAPA大阪大会の時と比べてメニューが多いとの印象を受けた。またオーストラリアは既にIFRS導入済であるが実務的なテーマは無かったのは残念である。日本の会計士として関川正氏がパネリストとして参加され「公会計における財務マネージメントにおけるベストプラクティス」のテーマでスピーチされた。また、特徴的なテーマとしては、中国の会計士が講演者として今回はじめてスピーチをされ、最近の中国の成長と発展の成果によるものであると感じた。また中国人会計士は150名程度参加したと聞いており、政府の積極的な姿勢が伺える。 参加した個別テーマのうち印象に残っているのが「最強のチームの育て方」(オーストラリアラグビーチーム監督講演)「ストレスを成功に変える」(医者で登山家が講演)等でほとんど監査会計テーマ以外のものばかりである。最強のチームの育て方についてはリーダーとしての監督の行動がチーム全体にいかに影響を与えるのかをわかりやすく説明され、ストレスを成功に変えるテーマで講演された医者のヘレナ先生は、メタボリックのオーストラリア人ばかりのなかでスタイルの良い美人であり、非常にプレゼンテーションが上手であったことが印象に残っている。 |
|||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
4. ナイトライフと食事 | |||||||||||||||||
観光はほとんどする時間がなく、初日の日本料理店で食べたトロの美味しかったことと近畿会会員の皆さんで行った川沿いの高級シーフード店での海鮮盛り合わせ料理は格別に量が多く、店員がしきりに2人で一皿が適当であると進められたが、前日に東京会の会員が同じ店で勧められるままに注文したらとても食べきれない量であったことを思い出し、5名で一皿を注文した結果、日本人には適量であった。夜景がきれいなブリスベンで本場オーストラリアのワインを飲みながらでの歓談は非常に楽しく最後の晩を過ごすことができた。また、夜の楽しみが少ないブリスベンは、唯一、カジノがあり向学のため行きましたが非常に客がいっぱいでギャンブル好きの中国人が多いのには驚きました。 | |||||||||||||||||
5. 最後に | |||||||||||||||||
日本から香港経由で18時間かけての移動は、非常に遠く感じられ、また旅費を削減するためにエコノミーを利用したことでさすがに移動は疲れました。しかし、上述したように、高額な参加料を支払った分、得られるものも多く、次回のソウルで開催予定のCAPA会議にも参加したいと考えております。 |