報告
近畿会女性会計士委員会主催

就業多様化対応委員会・企業内会計士ネットワーク小委員会・準会員会近畿分会・京滋会・兵庫会共催

『女性会計士20人 人生の中間決算書』出版記念セミナー

日本公認会計士協会近畿会 女性会計士委員会 渡邉美月

 
はじめに
 6月26日(日)、本町ヴィアーレ大阪にて、『女性会計士20人 人生の中間決算書』出版記念セミナーを開催いたしました。講師には、出版にあたって寄稿いただいた、上場会社の社外役員としてご活躍の中森真紀子氏、大阪府議会議員の栗原貴子氏、企業内会計士としての一歩を踏み出された大西かほる氏、そして大西氏との対談のゲストには、出版プロジェクトサポーター・企業内会計士ネットワーク小委員会委員長の清水敬輔氏をお招きしました。この様々な分野でご活躍の講師の方々に、リレー形式でお話をいただくという企画でした。
当日は暑い中、近畿会、兵庫会、京滋会合わせて40名余りの会員・準会員の方々にお越しいただきました。一時保育も恒例となり、今回も会員のお子様3名をお預かりしました。

 
講師の方々について
 中森真紀子氏は、中森公認会計士事務所所長、株式会社フィデス会計社代表取締役であり、監査の他、企業の会計業務支援等に従事されています。さらに、上場企業等の社外監査役を務められ、海外での子ども支援活動を展開するNPOのサポートも手掛けられています。
 栗原貴子氏は、3次試験の合格までに3人のお子様を出産されながら現有限責任 あずさ監査法人での非常勤勤務を経て、豊中市市議会議員に出馬・当選されました。市議会議員任期満了の後、現在は大阪府議会議員としてご活躍されています。
 大西かほる氏は、2次試験合格後、東証・大証2部上場会社に入社され、経理課で企業内会計士として有価証券報告書等の開示書類作成に従事されています。
 清水敬輔氏は、上場会社に勤務されながら、近畿会の企業内会計士ネットワーク小委員会委員長として、企業内会計士をネットワーク化することにより、メンバー間相互の情報交換や交流を通じて、各人のスキルアップ、豊かな人脈形成を支援し、企業内会計士の所属企業内におけるプレゼンス向上、企業内会計士全体に対する社会的評価を高めることを目指し、引いては、公認会計士ブランド全体の底上げに貢献することを目的として活動されています。
中森真紀子氏 栗原貴子氏 大西かほる氏 清水敬輔氏
 
講演について
 小規模なホールでの開催で、講師の方々との距離が近い、双方向型の講演会でした。『「人生の中間決算」後〜次の四半期の過ごし方 私の場合〜』をテーマに、それぞれお話をいただきました。
 最初の中森氏は笑顔がとても素敵で、「クライアントに対する愛」がご自身のプラスアルファと語られた話にも思わず頷かされる方でした。3回の人生の転機が訪れた際の体験談や、社外役員を引き受けられた経緯や業務内容についてもご説明いただきました。また、女性会計士が社外役員に就任されることの意義として、「アウトサイダー」の重要性やダイバーシティが求められる社会の時流を説いておられました。最後にメッセージとして、「3年後のなりたい自分を想像して、自分の中でやりたいこととやりたくないことをクリアにしよう」「一人で抱え込まず、協力者を見つけていつか恩返しをしよう」とのお言葉をいただきました。個人的には、フェイスブック社の女性COO、シェリル・サンドバーグのビデオメッセージに触れ、「(隅でもいいから)舞台から降りないことが大事」とおっしゃっていたのが印象的でした。
 続いての栗原氏は、ユーモアたっぷりの御講演でした。三女の母でありながら会計士試験合格を果たしたものの、「子育てを言い訳にして」社会での居場所を見つけられず後悔されていた時期から、出馬への決断を経て、現在の府議会議員当選に至るまでの経緯を、会場の笑いを誘いながら語っていただきました。トレードマークの赤いスーツは「戦略」の一つだとか。これを着ていたら名刺なしでも一度で覚えてもらえるとおっしゃっていました。「目立てる」ことが女性の特権という点は、中森氏も同意されていました。また、自分が必要とされる場所で誠実に仕事をすることの大切さ、またそのやりがいを力強く語っていただき、今後もそのように与えられた場所でがんばっていきたいとおっしゃっていました。
 ここで、お茶とケーキでブレイクしながら、なごやかな雰囲気で、アンカーの大西氏の御講演となりました。企業内会計士ネットワーク小委員会委員長の清水氏がインタビュアーとなり、対話形式で進めていただきました。大西氏は、会社の経理実務、また、監査対応の中で感じることや、企業内会計士の存在が監査の実効性を高めていることについてもお話をいただきました。今後のキャリアとしては、会社の経営・意思決定に直接携わり、会社の道案内ができるような社員になりたいと語っておられました。最後に、将来企業内会計士となりうる後輩へ、企業内で経験を積むことが必ず自らの肥やしになること、また企業内で活躍する方が増えてほしいというメッセージをいただきました。
 自らに与えられた「縁」を大切に、誠実に対応してこられたという点が三方に共通していて、若手の私にとって働き方のヒントを得ることができた、素晴らしいセミナーでした。
 
『女性会計士20人 人生の中間決算書』について
 『女性会計士20人 人生の中間決算書―おせっかいな先輩より。キャリア・家庭・これから』は、今回の講師の方々以外にも、海外の監査法人でご活躍の方、大学で教鞭を取られている方など、様々な場面でご活躍の方々に執筆いただいております。若手女性会計士への熱いメッセージから、「女性会計士の卵」の座談会まで、とても濃い内容がコンパクトにまとめられた一冊となっています。全国の女性会員・準会員には無償配布しておりますが、ご興味のある男性会員・準会員の方もぜひお手に取っていただきたいと思います(東京・名古屋・大阪の主要書店及びWebで販売中)。

 女性会計士委員会では、『働き方』をテーマに、様々な視点からセミナーを開催しております。女性だけでなく、もちろん男性にも参加していただけますので、今回参加されなかった方も次回はぜひ奮ってご参加ください。
近畿会小川会長 兵庫会仲尾会長 京滋会高橋会長 初代委員長松浦氏 宮口現委員長