寄稿
リレー随筆 第39回

SHALL WE DANCE?

岸本泰郎

 
 “社交ダンス“と聞いて皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?
 ヨーロッパの社交界?お金持ちの奥様方の習いごと?男の人と女の人が組んで踊るやつ?何となく自分にとって遠い存在のような気がしていませんか?
 確かにドレスや燕尾服を着たりパーティーのようなものがあったり敷居が高い大人の遊びのような気がしてしまうと思います。私も自分が社交ダンスをやるなんて思ってもみませんでした。ところが始めてみると優雅な踊りというだけでなく結構激しくて楽しいスポーツでもあるんです。
 社交ダンスに出会ったのは大学の倶楽部です。高校まで運動系の倶楽部に所属していたのですが、大学ではバリバリの体育会系もしんどいなと思っていると、競技ダンス部なる部に勧誘されました。試合があるからと誘われて行ってみると社交ダンスで試合をしているのです。うっちゃんなんちゃんの社交ダンス部や映画のシャルウィーダンスを見たことがある方はイメージが付くかもしれません。広い体育館で一斉に踊り、審判の人が採点して段々人数を減らしていき順位を決めます。審判の人にアピールするために皆必死で踊るのです。汗だくになって必死に踊っているのを見てイメージとの違いに驚いたのと、あれだけ踊れれば楽しいだろうと思い入部したのを覚えています。
 週2回の練習会や夏冬の合宿、それ以外にも普段から自主練習をしたり体育会系を避けたはずなのに結局大学の間はダンス中心の生活をしていました。各大学の学生が集まって試合を行っていて、他のスポーツと一緒で全国大会なんかもあります。たいていの人は大学から始めるので、最初は組んで踊るとまっすぐ進むこともできないくらいなのですが、4年間の間にたいていのステップは踊れるようになります。中には社交ダンスに開眼してプロになる人もいるほどです。(私の大学でもプロになった知り合いがいます。)
 こうして社交ダンスについて書いていますが、私も会計士試験を始めて以来社交ダンスをする機会はあまりありませんでした。ところが昨年法人を退職される方が社交ダンスを趣味にしているということで、送別会で私がパートナーを務めることとなったのです。何年も踊っていないので不安もあったのですがなんとか身体はステップを覚えていてくれました。写真はその時のものです。久しぶりに踊ってみると身体を動かす気持ちよさを思いだして懐かしくなりました。そんな中プロになった同期が今年の4月にレッスン場を開いたからオープン記念パーティーをするというので踊りに行ってきました。日頃運動不足なので以前のように激しくは踊れませんが軽快な曲に合わせて身体を動かすだけでも十分楽しめました。
 アマチュアでも試合が行われていますのでスポーツライクに楽しむこともできますし、運動不足の身でバリバリ練習するのはつらいという方も当然趣味として自分のペースで楽しむこともできます。競技としての年齢層も幅広く一旦始めれば一生ものの趣味になると思います。
 あなたも社交ダンス、始めてみませんか?


 P.S.始めてみようかと思われた方はレッスン場を探してみて下さい。探してみると意外に色んな場所にあります。梅田や難波なんかにもありますので仕事帰りに寄ることもできます。