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新春のご挨拶 |
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日本公認会計士協会近畿会 |
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![]() 平成23年を迎え、近畿会の会員・準会員の皆様に謹んで新春のお慶びを申し上げます。また、日頃より会務にご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、今年の干支は、六十干支の28番目に当たる辛卯(かのと・う、しんぼう)です。辛には、「つらい」「からい」の意味があり、上に向かって求めて冒すという意味を持っています。これは、今まで地下に潜伏してきたエネルギーが、社会の様々な矛盾、抑圧を排除して上に対して発言するという意味があります。したがって、矛盾、闘争、犠牲を含むため、時として「辛(つら)い」ということになります。また、音の「シン」が「新」に繋がることから、植物が枯れて新しい世代が生まれようとする状態も意味しています。 一方、卯は兎を想像しがちですが、「冒す」「茂る」という意味があります。卯は茆(かや)を表しており、良い意味では「繁栄する」「繁茂する」ということになり、悪い意味では「紛糾し」「動きがとれなくなる」といった意味を持っています。「いばら」「かや」というものは、茂って根が蔓延(はびこ)り、こんがらがって、どうにもならないようになります。また、卯は両扉の開いた門、すなわち、未開拓の部分の扉が開いた形になっております。今まで、手が付けられなかった部分まで、大がかりな整理整頓が必要な年になりそうであり、新しい世界が開けていく年と見ることもできるのです。 私たちは、昨年6月に前執行部より会務運営を引き継ぎ半年が経過しましたが、重点施策として掲げました次の項目を達成する上で、よい意味でも悪い意味でも、辛卯の意味と重なる一年になりそうです。 一つ目は、社会の負託に応えることで、公認会計士としての自覚と誇りを持てるような施策を本部と協同して実行することです。本部は、自主規制の強化を通じて監査制度の信頼性を得る施策や数年後に強制適用予定のIFRSへの技術的な対応を着実に推進しています。近畿会は、本部の施策を会員に周知徹底するための研修及び社会への広報を実施してきましたし、今後も一層充実していく所存です。 二つ目は、近畿会のよき伝統を継承し、社会公会計や非営利会計の分野で意見を述べることです。昨年の会員総会で「規範性に関する研究成果の公表ルール」が決定されました。その骨子を簡単に説明しますと、地域会が会員の業務に関わる研究成果を会員内外に公表する場合、本部の然るべき委員会等のレビューを受けなければならないということです。このルールが厳格に適用されますと、地域会に相当な負荷が生じますので、公表する事案は確実に減少するものと思われます。近畿会は、会計専門家が自己の専門分野の研究をすることは当然であり、その研究成果が会員内外に公表することに公共の利益があると判断した場合は、負荷がかかるとしても必要な手続を取った上で、研究成果を公表したいと考えています。 三つ目は、中堅・若手が活躍できるようにすることです。昨年11月に発表された公認会計士試験合格者は、担当式受験者数25,060人に対し論文式合格者数1,923人(7.67%)でありました。監査法人等の採用数が激減していることもあり、現在、合格者の過半数が未就職者という異常な事態に陥っています。公認会計士合格者の需給ギャップが構造的なものであり、一般企業への就職が増加するとの認識から全国に先駆けて企業内会計士の組織化を図りました。同時に、未就職問題の解決について決して諦めず、できることは何でもやっていく所存であります。また、来年の通常国会で弁護士や公認会計士に対する資格の自動付与を削除する税理士法の改正が予定されています。近畿会では、監査法人に勤務する若手会員が税務に精通するための研修を充実させるとともに、税理士法改正が他ならぬ自分たちの問題であるとの共通の認識を根ざす運動をして行きたいと考えています。 私たちは、公認会計士制度発展のために誠心誠意努力してまいる所存です。会員各位のより一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。 最後になりましたが、近畿会の会員・準会員の皆様方のご健勝と益々のご活躍を祈念しまして、年頭の挨拶といたします。 |
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