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自動販売機と私 |
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第34回 リレー随筆 | ||||||||||
岡本いずみ |
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現在、日本には約500万台もの自動販売機が設置されている。今や自動販売機は、日本人の生活に、なくてはならない存在となっている。 私はなぜか、自動販売機が好きである。特に清涼飲料水の自動販売機が好きである。学生時代、監査論のゼミに所属していたにも関わらず卒業論文のテーマに「自動販売機の魅力」を選択し、担当教授に却下された経験がある。それほどまでに好きである。この随筆では、自動販売機の魅力を二つ、お伝えしたい。 自動販売機の第一の魅力は、自動販売機の品ぞろえで四季の移ろいを楽しめる点である。いつも同じ商品が売られているように感じている方も多いと思う。しかしながら、注意深く観察すると自動販売機の品ぞろえは、約二週間に一度の割合で季節に合わせて変わっている場合が少なくない。 具体的には、9月下旬から10月上旬にかけて「あったかい」飲料が自動販売機に導入される。自動販売機に秋口から初冬に導入される「あったかい」飲料は緑茶、ホットコーヒーや紅茶の類である。その数週間後(昼夜の寒暖の差が激しくなる時期)には、あたたかいレモネード等が、自動販売機に加えられる。そしていよいよ吐息も白くなる時期、11月中旬から、ホットココアやコーンスープ等の飲料が仲間入りする。そして冬本番の1月には、「缶入りしるこ」が投入されるのである。なお、缶入りしるこの寿命は短く、2月の中旬には、その姿を自動販売機で見る事はできなくなる。詳細は表1にまとめているため、今後の自動販売機利用に役立てていただきたい。 |
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表1 | ||||||||||
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このように、清涼飲料水の自動販売機の品ぞろえを確認する事で、四季の移ろいを大いに楽しむ事ができる。 さて第二の魅力は、自動販売機が海外旅行をより面白くする点である。ふだんの海外旅行にスパイスを加えたいのならば、その国の歴史を学ぶよりも、観光地を巡るよりも、その国の自動販売機を利用するのが一番である。なぜならば、本来、無味簡素であるはずの自動販売機を通じて地元の人とふれあう事ができるからである。 このように主張するには理由がある。私はインドで、自動販売機にまつわるこんな体験をしている。 ![]() このように、海外旅行の際には自動販売機を利用し、現地住民との交流を図る事が可能となり、ひいては刺激的な海外旅行を楽しむ事ができる。 以上二点が、自動販売機の主な魅力である。この随筆では自動販売機の魅力について書かせていただきましたが、日本自動販売機工業会からは一円ももらっておりません、念のため。 |