特集

「職業的専門家としての時間管理能力
〜効率はどうやったらあがる〜」

準会員会 近畿分会幹事 河本高希

 
はじめに
 平成22年8月8日(日)、株式会社イーサーブの代表取締役である鈴木邦明先生をお招きし、「職業的専門家としての時間管理能力〜効率はどうやったらあがる〜」というテーマで準会員会主催の勉強会を開催致しました。今回の勉強会は50名弱の正会員及び準会員の方にご参加頂きました。監査法人にお勤めされている方に加え、一般事業会社等にお勤めされている方もご参加頂き、それぞれの日々の業務と勉強会の内容を照らし合わせ業務の効率性を見直して頂けたのではないかと思います。
 鈴木邦明先生は大手監査法人に30年間勤務され、中小企業やベンチャー支援を中心とした業務に従事されていました。そして、代表社員を経験された後ご自身で会計事務所を立ち上げ、現在は財務コンサルティング・ベンチャー企業支援・株式公開支援・税務業務等に携わっていらっしゃいます。また、ご自身のこれまでの経験をもとにベンチャー支援や組織体制に関する講習会等も数多く開催されています。
 当勉強会では、鈴木先生に効率的に時間を使うためにはどうすべきか、いかにコミュニケーションをうまく図るか等、聞く人を退屈させない興味深い内容を、鈴木先生ご自身の経験を踏まえワークショップも交えてご講演して頂きました。
 
講演内容
@時間の使い方について
 残業時間を減らすため、効率的に時間を使うためにはどうすればよいかを、ワークシートを用い仕事内容の分析を行った。自分の実際の活動内容のウエイトと、自身が重要だと思う活動に内容項目の順位付けを行ったものを比較したうえで、無駄な個所の洗い出し、他の重要な活動の時間価値をあげるといった分析を行った。同時に周囲の参加者と作成したワークシートを見せ合い、他の参加者が効率的に仕事をするため、どのような工夫を行っているのか意見交換を行った。
Aコミュニケーションについて
 効率よく仕事をするためには円滑なコミュニケーションが必要であることから、良好な人間関係の形成方法についてお話し頂いた。具体的には「共感的傾聴」の姿勢が必要とのこと。すなわち、相手の立場に立ち、相手の話に耳を傾けることが大切であるということである。ここでは、社会人として必要とされる基本的な事から、お客さんと接する際の具体的なコミュニケーションの取り方についてまで鈴木先生のご経験を踏まえ、幅広くお話し頂いた。
B会社の中での役割について 
 自分ですべての仕事をしようとしてボトルネック(悪循環)になっているのではないか、悪循環を好循環に変えるには『教育』が必要であり、部下との信頼関係を築いて『やる気』を引き出す方法等、将来部下ができた際に参考になる内容のお話を頂いた。
 最後に、興味深い内容として、「幸せの4K」ということをお話頂いた。鈴木先生によると、人生には@健康A感謝B感動C希望といった4つの大切なことがあるとのこと。この4つを満たすために、仕事の効率化ということを考える必要があり、時間価値・時間管理能力というものの本質であるということである。
 
むすび
 鈴木先生が勉強会でおっしゃっていたことは全体を通して大変構造的であり、聞き手に対し理解しやすくご講演いただいたことが非常に印象的でした。勉強会中、実際に自分の仕事を思い浮かべてワークシートにまとめる作業においても、大変頭の中を整理しやすかったです。ご参加頂いた方からも、非常に興味深く、具体的な内容も混じえてお話し頂きわかりやすかった、との声を頂戴しております。

 内容に関しても、最後の「幸せの4K」といった貴重なお言葉に共感を覚えるとともに、日々行っている多くの業務のなかから、その業務ひとつひとつの「時間価値を考え」、業務の優先順位をつけていくという視点から、今後の自身の仕事の進め方について考える貴重な機会を与えて頂いたと感じております。