報告

第45事業年度 第4回定例役員会 議事録

 
と き 平成22年9月27日(月)午後6時〜午後8時
ところ 近畿会事務局 研修室
出席者 37名(役員数44名)
 
審議事項
第1号議案 「非営利会計委員会 非営利法人統一会計基準特別委員会(仮称)の創設について」
(提案者)非営利会計委員会副委員長 島田 牧子
 提案者より、次のとおり説明があった。
 近年の高齢化社会の進展や社会福祉事業の充実発展している現状の中、いまだ多くの民間非営利法人は公認会計士による会計監査が法定義務化されておらず、公認会計士による会計監査の導入は急務となっている。
 公認会計士による会計監査の法定化が進展しない要因の一つとして必要な各非営利法人の会計基準の整備そのものが不十分であったり、不明確であったりすることが実務上の障壁と考えられており、過去から、非営利法人会計基準の統一ということについて、検討されてきているものの、なお実現に至っていない。
 そこで今回非営利法人の経営実態に即し、非営利法人の経営の健全化と透明性の向上を志向した、現実に適用可能な会計基準はどうあるべきかについて及び、この会計基準の設定主体設置の必要性について、具体的な提案を作成し発信するために特別委員会を設置したい。
 なお、委員長については、島田牧子非営利会計委員会副委員長とし、委員の選任は委員長に一任することとしたいとの説明があった。

 この提案については、以下のような意見・質疑応答があった。
遠藤副会長: 積極的な取り組みだが、学術関係の方とのコラボは考えているのか。
また、統一会計基準について、どのようなビジョンを持っているのか教えてほしい。
島田副委員長: 学術関係者には、もちろんのことメンバーに参加頂く事を考えている。
統一基準については、学術関係者の協力のもと、統一できる所と出来ない所を明らかにする作業と各国との比較、特にアメリカとの比較をして明らかにしていきたい。
蔵口副会長: 補足として、提言については非営利法人の会計基準の統一と言うことであるが、
規範的な物であり、基本的には協会本部への提言とし協会本部を通じて広めていくことになる。予算については当初の計画外であり、まず中科目間の流用を行い、不足する場合は予備費の使用で対応することを考えている。
洪  幹事:委員会を「統一会計基準特別委員会」にする理由は何か。
島田副委員長: 学術関係者との交流、所轄官庁などの交流を考えると、柔軟に対応出来る特別
委員会にした方がいいと考えている。
蔵口副会長: 非営利の統一基準を作りたいので、その点を考慮して特別委員会とした方がよい
と考えている。
吉形幹事: 同様の取り組みは本部で行われているのではないか。また他の地域会での取り組み
はされていないのか。
小川会長: 協会本部でも、非営利会計基準統一化と言うことは、以前から言われており、2年前ぐらいに研究報告として統一基準の考え方が発表された。その中では、企業会計に合わせていくとなっていたが、企業会計に合わせることで多くの弊害があり、それとは違うアプローチにより、進めていくという理解である。
澤田本部理事: こういう形で地域会としての意見を纏めるという活動は近畿会以外ではどの地域会もしていないのが実情で、是非進めて貰いたい。本部に対しての提言については、非営利会計の梶川さんと担当副会長の手塚さんを通じて本部の専門部会を近畿会に任せてもらうぐらいの提案があってもいいのではないかと思う。
島田副委員長: 本部に対する提言については、小川会長、蔵口副会長に間に立って頂きたい。本部の非営利会計原則専門部会というのがあり、そこで個別論点を検討しているが基礎概念の検討はされておらず、企業会計に合わせていくべきと言う協会の学術的な方向と、実務界の方向とがまったく逸れたままであり、その様な状況では会計士が取り残されて行くので、特別委員会で検討するために設置したい。
以上のような質疑があり、審議の結果、原案どおりに承認された。
 
第2号議案  「非営利会計委員会 書籍「わかりやすい新会計基準による社会福祉法人の決算実務」(仮題)の出版について」
(提案者)非営利会計委員会副委員長 島田 牧子
 提案者より、次のとおり説明があった。
 現在厚生労働省において社会福祉法人会計基準の改正を作業中で、統一改正が12月ごろに予定されている。当委員会では改正に合わせて、新会計基準の解説と、決算実務に役立つ書籍を出版するものである。
 決算実務の計算シートについては、新基準が3年後から適用になるので、現行の基準の解説と計算シートを掲載する事へ若干の修正がされた。出版時期は12月頃を予定し、清文社より初版3,000部を予定しているとの説明があった。
 また、小川会長より、協会からの公表物に関する手続きとして、規範性のある物、内部への公表と外部への公表を問わず、本部のレビューが必要と決められた。この書籍も同様にレビューを受ける事になっており、近々本部レビューが実施される事が補足説明された。

 この提案については、審議の結果、原案どおりに承認された。
 
 
第3号議案 「会務提携における「関西地区三会連絡協議会」の創設について」
(提案者)会長 小川 泰彦
 提案者より、次のとおり説明があった。
 これまで各地域会においては会員に対しCPE研修、福利厚生事業を実施提供してきているが、その事業内容、効果を考えると関西三会が共催して提供することでよりよい知識、サービスを享受しうるケースがある。こうしたことを踏まえ、会員の便益に資するよう、このたび三会が相互に運営に関する情報交換ができ、その共通の課題について協議し方向性を見出すための「関西地区三会連絡協議会」を創設したい。創設にあたり同協議会はあくまで事業の実施案を取りまとめる機関とし、各事業の実施の是非については各地域会が自主性をもって検討、判断を行うものであることを明確にしておきたい。
 また、本事業にかかる資金手当ては毎年度必要額を予算化することとするが、本年度にあっては資金支出を伴う場合には予備費をもって充当することとしたいとの説明があった。
 創設に係る規約(案)は以下

この提案については、以下のような意見・質疑応答があった。
南方幹事: 厚生部を担当しているが、協議のタイミングは予算の段階なのか告知する直前なのか。また各会で予算との兼ね合いもあると思うので、どのタイミングがよいか教えて頂きたい。
小川会長: 予算の段階では大枠で計画いただき、実際に企画等が出たタイミングで協議頂く事になると思う。
南方幹事: 協議については、実際に会議を開く必要があるのか。メールで各担当とやり取りしても構わないか。議事録的な書類は提出の必要があるか。
 
小川会長: 企画の段階での協議については、メールでも構わない。企画が纏まれば三会の役員会での審議となるので、その段階で資料として書類を提示いただければよい。最終的に共催事業実施の判断は各会の役員会判断となる。
林 幹事: 定期的な会議とは、協議会メンバーで実施するのか。
小川会長: 第3条の年2回の定例会議は三会会長会議を充当するものである。
以上のような質疑があり、審議の結果、原案どおりに承認された。
 
第4号議案 「経営委員会副委員長の委嘱について」
(提案者)経営委員長 和中 修二
 提案者より、経営委員会の活動事業の一つにバイオビジネスに関する事業があり、委員会ではこれまで関西バイオビジネス研究会等の同事業関係者との交流、研究に努めているが、今後においても一層の強化親交を図っていくにあたり、従前から経営委員会委員であり関西バイオビジネス研究会に参加している「西村幸平会員」をバイオビジネス事業の主担当副委員長に委嘱し、さらなる活動を期待したいとの説明があった。
 
 この提案については、審議の結果、原案どおりに承認された。
 
協議事項
第1号議案  「日本税理士連合会「税理士法改正に関する意見(案)」に対する意見について」
(提案者)会  長 小川 泰彦
(説明者)本部理事 澤田 眞史
 提案者より、次のとおり説明があった。
 平成22年5月31日付けで日本税理士連合会は「税理士法改正に関する意見(案)」を取りまとめ公表している。
 この「税理士法改正に関する意見(案)」では、改正要望項目のうち「税理士となる資格を有する者は、税理士試験に合格したものを原則とする。」として、「弁護士・公認会計士に対しては、能力担保措置として、弁護士は会計学に属する科目に、公認会計士は税法に属する科目に合格することを原則とする」との方向性のもと、税理士法第3条及び第8条の改正案を提案している。
 日本公認会計士協会としては、税務業務の位置付けと公認会計士がその担い手であることの相当性、税務の専門家であるとの適格性、税務サービスを提供可能な専門家であることの資質の確認と資質向上のため不断の研修実施など、5項目にわたる観点から反対意見を表明している。本件に関し忌憚ない意見を伺いたい。
 また、過去の税理士法改正に携わってきた澤田本部理事より、背景や現状について説明頂き近畿会役員としての考え方を共有していただき、これから税理士登録をする若い人たちへ協会の考え方を伝え、色々と意見を聞いてほしいと説明があり、引き続いて、澤田本部理事より以下の説明があった。
 役員の皆様へは協会の考えを当事者意識として持って頂くために税理士会への提案について説明する。
 公認会計士試験合格者が増え、相当程度纏まった方が大手監査法人へ入社することになるが、大手監査法人も当然営利企業であるので、一定のバランスの中でスピンアウトしていただかないとバランスが取れず、その際には当然相当程度の方が公認会計士の資格を持って税理士登録できるという原資がないと、混乱を生じることになる。
 その点については本来大手監査法人の人事政策を考えて貰わないといけないと考えている。
 税理士法改正(案)について、日本公認会計士協会として明確に述べている点として、「隣接職種の資格者に対する能力担保措置」であるが、このターゲットは公認会計士と弁護士である。しかしながら弁護士については、弁護士法で弁理士、税理士の業務を出来ると明確に記されている。公認会計士については、公認会計士法には記されておらず、公認会計士が税理士となる資格を有すると言うことは税理士法の中で記されている。よって、相当程度不安定な状態であることは確かである。税理士法改正(案)では、公認会計士の能力担保措置として、所得税法または法人税法どちらか1科目の合格を課してきている。
 前回の税理士法改正においては、行政との協議を経て審議に望んだが最終的には改正に至っていないので、協会としては、今までこの様な事に対し意見表明を明確にしてこなかった事があり、ある意味水面下で議論した中で気がつけば今回のような改正案になっていた。
 法改正というのは政治力が非常に働くものであり、その点で協会は弱く、正当な意見を表に出して議論を戦わせているとの姿勢が大事である。
 協会としては、次の5つのポイント、「1.税務業務の位置づけと公認会計士がその担い手であることの正当性、2.税理士法制定時の趣旨に基づき公認会計士が税務の専門家であることの適格性、3.公認会計士が税務サービスを提供可能な専門家であるとの資質の確認とその資質向上のための継続的な研修の実施、4.隣接職種の資格者に対する能力担保措置の講ずる必然性、5.公認会計士が税務サービスを提供することによる国民ニーズへの対応」をあげ、この様なスタンスで対応していく方向である。 

 この説明に関し、以下のような意見・質疑応答があった。
塩尻幹事: 法法改正に関するPTたたき台について、近畿会で署名を集め提出したが、一切取り上げられていないがどうなったのか。
澤田本部理事: 多数の意見に埋もれた形になったようである。
伊藤幹事: 弁護士法においては、税理士業務が担保されているが、公認会計士法では記されていない訳であり、税理士法改正の反対意見より公認会計士法の改正方向で対応する事は考えていないのか。
澤田本部理事: 現執行部の考えは後に譲るが、協会内部にその様な意見はある。今後について様々な観点から執行部へ期待している。
小川会長: 公認会計士法への記載については、会計専門職PTで意見表明し理事会の承認を得ている。また法改正に関しては本来国税庁主導で審議会を作り纏め上げたうえで改正となるのだが、今回国税庁は反対の立場であるにも拘わらず、税理士会は議員立法の方向で是が非でも改正しようとしているので、協会としては議員に対し改正の必要性が無いことを主張していく事を執行部として考えている。
岩井幹事: 税務署OBに関しての能力担保措置に関する観点から、改正に関する意見等は見いだせないのか。
澤田本部理事: 税務に対するプロフェッションとなるのであれば、税務署OBは適任ではないと考えているが、その点に関して執行部では具体的に表現しない方向である。
小川会長: 税務署OBの件は、協会としてあえて触れないが、議員に対してはOBの実質天下りの様な制度がある点について、特に民主党議員へ伝えて行く。
吉永幹事: 研修単位の履修について、税理士会の研修単位は会計の履修として認められているが、その逆は認められていない点についての考えを聞かせてほしい。
澤田本部理事: 税理士会が認めないのは、公認会計士協会の研修会を全面的に税理士に開放しないからと言われており、今回このような制度の議論があるときに、金融庁も国税庁も触れてほしくないというのが本音のところだと思える。また履修単位認定は双方が上手くやればいいことだと思っている。
以上のような質疑があり、今後も継続して協議する事となった。
 
報告事項
第1号 会長報告
(報告者)会 長 小川 泰彦
 報告者より、会務及び会長の活動報告は配布資料をご覧いただきたいとの報告があり、トピックスとしては、政連関係で9月6日の近畿税理士政治連盟定時総会懇親会に初めて出席し、参加者が約500名と多く、会計士協会と比べるとこういった点からも、こちらに政治力の弱さがあると感じた。また出席者の年齢層も60歳以上が殆どであることから、近畿会の政連としては、もっと若い会員の方に関心を持って頂き政治力を強めていく事をお願いしたいとの事であった。
 
第2号 理事会報告
(報告者)理 事 蔭山 幸男
報告者より、常務理事会8月31日開催分、理事会9月1日開催分より、主に以下のとおり報告があった。
T.会長報告
  IFRSを巡る動き
  企業会計審議会総会 ⇒ ダイナミック・アプローチ(連結先行)で確認 
非上場会社の会計基準に関する懇談会
 
金商法適用会社以外の会社法上の大会社は簡略化した日本基準(ASBJが参画)
会社法大会社以外の会社は新たな区分に対応する会計指針を作成
  日本・インドの共同グループの設立
U.常務理事会審議事項 
  公会計委員会専門部会の設置に関する件
  監査基準委員会報告書改正対応専門部会の設置
国際監査基準の公的セクターに係る監査についての記述方法変更に対応するもの
「公的セクター主体特有の考慮事項」について規定され、分量が飛躍的に増大
V.報告事項
  国際統合報告委員会(IIRC)作業部会報告に関する件
  国際統合報告委員会(IIRC)設立合意
報告原則は、国際財務報告枠組みにおける原則とGRIやCDSBといつたサステナビリティに焦点をあてたものとなる。
 
第3号 総務部報告
(報告者)総務部長 増田 明彦
 報告者より、以下のとおり報告があった。
1. 8月 6日 関西地区三会会長会議実施 議題「関西地区三会協議会設立について」
2. 9月 7日 相談役会実施⇒ 6名の相談役が出席
3. 9月10日 地区会長会実施⇒ 12地区会より出席者あり
4. マイページ登録実施状況について⇒ 近畿会の登録状況は49.8%であり会員への促進をお願いしたい
5. 大手・中堅中小監査法人代表者との意見交換会⇒ 中堅中小は18法人の出席あり
 
第4号報告 厚生部報告
(報告者)厚生部長 南方 得男
 報告者より、以下のとおり報告があった。
1. 公認会計士試験受験者対象の近畿地区就職説明会を実施
  8月23日(月)  13時〜17時 大阪商工会議所 参加340名
2. フットサル大会
  9月20日(月祝) 17チーム160名の参加 
1位、2位ともに新日本有限責任監査法人で11月の東京会のフットサル大会へ参加予定
3. 球技大会(バレーボール・ドッヂボール)
  11月27日(土) 大阪市舞洲にて予定
4. 近畿CPAゴルフ選手権
  12月11日(土) アートレイクゴルフクラブにて開催予定
5. クリスマスパーティ
  12月 4日(土) ドーンセンターにて開催予定
 
第5号報告 広報・事業部報告
(報告者)広報・事業部副部長 岩井 正彦
 報告者より、以下のとおり報告があった。
「ハロー!会計」の実施
  9月16日(火) 10:45〜12:30
  大阪星光学院中学校 3年生194名対象にて実施
 
第6号報告 会員業務部報告
(報告者)会員業務部長 百々 季仁
 報告者より、以下の業務推薦に関する報告があった。
○大阪府立大型児童館ビックバン指定管理候補者選定委員会委員候補推薦
      藤本 光二 会員
○大阪法務局評価委員「登記簿等の公開に関する業務(乙号事務)の民間入札」推薦
      仲崎 義弘 会員
○奈良地方法務局評価委員「登記簿等の公開に関する業務(乙号事務)の民間入札」推薦
      松山 治幸 会員
○大阪府立国際会議場指定管理候補者選定委員会委員候補者推薦
      中丁 卓也 会員
○大阪府立労働センター指定管理候補者選定委員会委員候補者推薦
      伊藤 明裕 会員
○府営住宅指定管理候補者選定委員会委員候補者推薦
      上野 精一 会員
○大阪府民牧場指定管理候補者選定委員会委員候補者推薦
      江本  誠 会員
○大阪府立男女参画・青少年センター指定管理候補者選定委員会委員候補者推薦
      古川 康正 会員
○東大阪市包括外部監査人候補者推薦
      林  由佳 会員
      酒井  清 会員
○大阪入国管理局評価委員会委員候補推薦
      谷  義孝 会員
 
第7号報告 研究・CPE研修部報告
(報告者)担当副会長 高濱  滋 
 報告者より、以下のとおり報告があった。
  1.CPE制度協議会報告
    免除・軽減申請審査 全72件全て承認された。
  2.第42回中日本五会研究大会準備委員会報告
    各地域会1コマ(近畿は2)担当とする
    自由論題発表者・テーマは9月末までに決める。
  3.CPE研修実施結果報告・実施予定について
    別紙のとおり報告。