報告

近畿不動産鑑定士協会連合会との共同研修会レポート

監査会計委員会委員長 廣田壽俊

 
 先日10月8日(金)13時30分から17時00分まで、大阪キャッスルホテルにおいて近畿不動産鑑定士協会連合会との共同研修会が実施されました。この研修会は、近畿不動産鑑定士連合会から研修会開催をはたらきかけられ共同開催にいたったものです。出席者は約200名(うち、公認会計士は29名)と盛況な研修会になりました。
 
開催主旨は次のようなものです。
 減損会計、賃貸等不動産の時価開示、企業結合会計での子会社時価開示と昨今導入されてきた会計ルールで鑑定評価と価格調査がクローズアップされてきています。不動産鑑定士が業務として実施している鑑定評価と鑑定評価周辺業務が、その用途としての企業会計にどのように関連して行くか、を不動産鑑定士協会会員に明らかにする、ということが目的です。一方、日本公認会計士協会会員にとっては評価する不動産鑑定士側の評価と価格調査の実際を接見できることが目的になります。
 
進行の概略は次のようなものでありました。
1.(開会挨拶)近畿不動産鑑定士協会連合会会長熊澤一郎氏及び日本公認会計士協会近畿会会長小川泰彦挨拶
2.(基調講演)東京から招聘された公認会計士原田昌平氏による基調講演
3.(パネルディスカッション)近畿不動産鑑定士協会連合会調査研究委員長 若崎 周氏をコーディネーターとして、財務諸表に係る鑑定評価等対応特別委員会委員の橘田万里惠、杉浦綾子両氏と公認会計士・不動産鑑定士 荒井 巖氏をパネリストとするディスカッション
4.(閉会挨拶)近畿不動産鑑定士協会連合会 調査研究委員 嶋嵜敦氏
 
個々の内容については次のようなものでありました。
(基調講演)今後上場会社に導入されてくるIFRSに関し、公正価値フレームワークの概要を踏まえて、それと社会が求める不動産鑑定評価にどのように関連するか講演されました。
(パネルディスカッション)
・鑑定評価とその周辺業務の説明:杉浦綾子氏
・減損会計、賃貸等不動産に係る鑑定評価の留意事項:橘田万里惠氏
・販売用不動産の低価法、企業結合会計:不動産鑑定士 荒井 巖氏
・価格等調査ガイドラインが開示されるにあたって、不動産鑑定士協会に不動産鑑定士から寄せられた主な質問事項の披露とその回答
・時点修正と再評価の違い:橘田万里惠氏
・意見交換:調査研究委員長 若崎 周氏司会の下、2010年3月期より適用された賃貸等不動産開示に関して、橘田万里惠氏から開示分析結果の披露、それに対し不動産鑑定士 荒井 巖氏から回答。その後、参加する会員に対し活発に質疑応答が行われました。