報告

近畿会・京滋会・兵庫会3会共催イベント報告 

就業多様化対応委員会活動第一弾! 

〜今後の公認会計士試験合格未就職者を1人でも減らすために〜(後半)

就業多様化対応委員会 委員長 種田ゆみこ

 
 こんにちは!大量合格対応特別委員会名称改め、新看板の「就業多様化対応委員会」から第一弾活動報告の続きです!
イベント: 大原簿記専門学校等主催の受験生への就職説明会
日時場所: @平成22年6月19日(土)大阪校&神戸校 A6月20日(日)京都校
B6月26日(土)立命館大学びわこ・くさつキャンパス
対  象: 公認会計士志望の学生・受験生ら約200名
皆様、先月の会報での当委員会活動報告(前半)を読んでいただけましたか?
では、今月も引き続き「熱い!」就職説明会報告を以下に行います!

大原セミナー第2部報告他

就業多様化対応委員会副委員長 南方得男

 先月8月号では第1部増田明彦実務補習所運営委員長(当委員会副委員長)から報告ありましたが、第2部では一般企業、会計事務所、および監査法人に就職した合格者が就活体験談を披露。まずその一部をご報告いただきます。
 
1)合格者の就活体験談 〜今回のイベントに参加して〜
@一般企業勤務(石田宜久)

 私は一般事業会社に勤務する公認会計士試験合格者の一人として、今回のイベントに参加いたしました。イベントでの受験生の反応から、「合格後は大手監査法人に就職するものだ」というとても強い固定観念を持っており、その考えに固執するあまり就職難を引き起こしているのではないか、と感じました。「公認会計士=監査人ではなく、公認会計士は監査人を包含するもっと広義の存在である」と私は考えています。公認会計士の可能性を探るという点においては、監査は公認会計士が進むべき道の一つにすぎないということを、この機会に受験生に発信できたことを嬉しく思います。また、私自身、合格者として受験生の期待に応え、新たな道を示さなければならないと改めて決意しました。
A監査法人勤務(市川宏輔)
 今回のイベントを終えた私の印象としては今の公認会計士受験生は、私が受験致しました1年前と比べ就職に対する危機感が大分浸透していると感じました。そのせいか一般企業や中小監査法人への就職ということも念頭においている方も予想より多く、受験生の就職への視野も徐々に広がってきていると実感しました。しかし個別質問では一般企業への就職活動の時期や実務従事要件を満たすか等の質問が多数寄せられ、一般企業への漠然とした就職活動の実態がつかめないというのが現状のようでした。ですから今広がっている受験生の就職への視野をより具体化するために、今回のイベントや予備校を通じて、実際に就職活動を行ってきた様々なフィールドにいる公認会計士試験合格者の生の声を聞いていただくことが、これからはより大切になってくると思います。
B会計事務所勤務(吉田壮志)
 今回のイベントのように予備校生を対象として、様々なフィールドで活躍をしている公認会計士合格者の実像を発信していく取り組みが今後ますます必要だと思います。未就職問題は単純に考えれば「監査法人の採用枠<監査法人就職希望者」となっているために生じています。しかし監査法人就職希望者の全員があらゆる選択肢を考えた上で監査法人を希望しているのでしょうか。私は、私自身がそうであったように、大半の合格者は監査法人以外の仕事を具体的にイメージできないのだと思います。しかし、そうなってしまうのも無理はないと思います。なぜなら監査法人以外の進路についての情報があまりにも少ないからです。ですから、情報さえきちんとした方法で落としていけば監査法人以外の進路について具体的にイメージすることができるようになり、そうなってやっと自身の将来の選択肢の一つとして考えられるようになるのではないかと思います。一方的に冊子を配布したり、ホームページに掲載したりするだけでは情報はその意図を含めて伝わりません。今回のイベントのように、未就職問題に関わった世代の合格者が生の声で語りかけるような場を設けて情報を落としていく必要があると思います。
C会計事務所勤務(中谷洸太)
 今回、大原イベントの第一歩を提言させていただきました中谷(なかや)と申します。当初は「4月末に提言したから今年は無理だろう、来年から始められるように・・・」と思っていたので、実現したことに人一倍感動しています。イベントがどのようなものになったのか、どのような意識を受験生や他の合格者がもっているのかということを知りたかったので、すべての日程に参加させていただいたのですが、想像していたよりも意識の高い方ばかりで感動しました。アンケート結果を見ると、思いを伝えることが出来なかった受験生もいましたが、思いを伝えることが出来た受験生が多く、今回のイベントは成功したと思っています。今後の目標としては、いろんな考え方や働き方を受験生たちに伝えて、どんな職務でどのように能力を発揮したいかを考えて、公認会計士を目指してもらえるようにするため、今回のようなイベントを合格者の中でも周知のイベントにし、協力してくれる方が増えればいいなと考えています。
D一般企業勤務(米山高志)
 大原簿記専門学校大阪校で実施されたイベントに同行させていただきました。私自身も昨年の発表後、今年の4月にようやく就職が決まったため、今年度の受験者の就職への意識について興味があったからです。私は発表しませんでしたが、イベント終了後、2人質問に来ました。「今から就職活動はどうすればいいのですか?」という共通した内容でした。就職に対して危機感を持つことは大切ですが、まずは合格のための勉強が最優先です。その旨を伝えて、監査法人志望ならエントリーを忘れないこと、試験が終わった瞬間に就職活動に気持ちを切り替えることを伝えました。あとは仕事についての視野を広げて、普段から志望動機や自己PRのイメージをしてほしいことです。面接では自己分析が大切です。昨年の就職の状況は、イベント参加者も認識しているようでした。企業内会計士の話を聞けて視野が広がったという感想も聞けました。今後、合格者の就業は必然的に多様化していくことでしょう。監査法人だけでなく事業会社も公認会計士のやりがいあるフィールドであることを広く伝えていくことが大切だと感じました。
 
2)受講生アンケート
【体験談で参考になったもの】

(複数回答・無回答 有り)

  大原簿記
専門学校計
 立命館大学
びわこ・くさつキャンパス
一般企業勤務者 43%  40%
会計事務所勤務者 39% 24%
監査法人勤務者 18% 36%

(注)立命館大学では全般に参考になったとの意見も多数ありました。

 この表は受講生のアンケート集計の一部です。今回の説明会の感想には、「一般企業へ目を向けるように言われている気がしてあまり良い印象を受けませんでした。」との意見がありました。しかし、「公認会計士の勉強以外にその後の事を視野に入れなければと思いました。」という意見や、「監査法人や監査法人以外でそれぞれ勤務されている方々のそれぞれの視点から就職について知ることができてよかった。」「監査法人だけでなく、様々な分野での活動にとても興味が持てました。また、自分の進路に関して見直すことが出来てとても役立ちました。」など、ほとんどの方から好意的な感想を頂いています。監査法人への就職難の状況にあって、公認会計士の業務の広さに気付いていただけたことは、当委員会の目論見どおりでした。
 公認会計士協会は業界のために、公認会計士試験制度や就職状況の変化に受け身にならざるを得ない受験生のために、少しでも役立つ活動ができればと考えます。