編集後記

編集後記

 
 ワールドカップも既に過去の記憶になっていることと思いますが、3時に起きて日本チームの応援に興奮されたものと思います。帰国後会見で岡田監督が「短期的な見方ではなく、長期的な戦略によって日本サッカーが世界に伍していく応援をお願いしたい」という趣旨の発言をされていました。会計の世界でも同じことが言えるのではないかと思います。四半期決算や時価会計の拡充で企業会計がより短期的な視点で見られるようになっているように思います。IFRSの導入によってこの流れはさらに加速するのでしょうか。
 中島康晴著「知らないではすまされない マネジメントのためのIFRS」では、IFRSは投資家のためのデューデリ会計と解説されています。そしてこれは長期的な計画や方向性を見て行う投資ではなく、非常に短期的な視点であるとしています。確かに映画「ウォール街」にでてくるような投資銀行の行う会社の転売による利ザヤ稼ぎでは、短期的な視点しかないのでしょう。IFRSがそうした投資家に資するツールであろうとするならば、それで終わるのかもしれませんが、よりよい社会に資するツールとして、長期的な視点にたった会計、例えば企業結合時にはのれんとして算定されてしまう、チームワーク力・ロイヤルティといった無形資産も時価評価され、これまで目に見えないがために一部の投資家に短期利ザヤを与えていたものが、公平に企業関係者に分配されるような時価会計が出現するのかもしれません。
 日本サッカーのように、日本の企業も長期的な視野に基づく会計で発展してもらいたいものです。

(会報部 熊木実)