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近畿会第44回定時総会報告 |
常田英貴 |
平成22年6月21日(月)午後2時から、ホテル阪急インターナショナルにおいて日本公認会計士協会近畿会の第44回定時総会が開催されました。総会の次第に従い、その内容を報告いたします。 |
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T.定時総会(午後2時〜午後4時20分) |
1. |
開会の挨拶(蔵口康裕副会長) |
2. |
物故者に黙祷 |
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物故会員のご冥福を祈り、出席者全員が黙祷を捧げました。 |
3. |
報告事項 |
(1) |
第44事業年度 事業及び会務に関する報告 |
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各担当副会長より、各担当事業についてそれぞれ詳細な説明が行われました。 |
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【総務、経理、非営利会計、国際】 |
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蔵口康裕担当副会長 |
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【経営、法務会計、女性会計士、監査現場再生特別、若手会計士特別、大量合格対応特別】 |
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小川泰彦担当副会長 |
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【厚生・地区会、税制・税務、会員業務】 |
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蔭山幸男担当副会長 |
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【監査会計、社会・公会計、研究・CPE研修】 |
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遠藤尚秀担当副会長 |
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【広報・事業、会報、IT】 |
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小山謙司担当副会長 |
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【小規模事業体監査特別】 |
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中務裕之会長 |
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定時総会の中で行われた質疑応答の概要は、以下のとおりです。 |
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(質問) |
部会交付金支出は、何に使われているのか? |
(回答) |
各部会で研修会、懇親会に使われており、毎年、各部会から事業報告および会計報告を受けている(中務会長)。 |
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(質問) |
定時総会終了後に懇親会が開催されるが、招待客からは会費を受領しているのか? |
(回答) |
お祝い金を持参される招待客もおられるが、会費は受領していない(中務会長)。 |
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(質問) |
本部会長選で、推薦委員および予備推薦委員が選出されているが、近畿会の対応は? |
(回答) |
近畿会の正副会長会議の協議を経て、私が推薦委員の候補者となった。なお最終的には本部手続きにより私は推薦委員になっていない(中務会長)。 |
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(質問) |
中務会長が近畿会、東海会等の地域会から本部監事に推薦されているが、推薦の経緯は? |
(回答) |
該当地域会の会長会議の中で推薦された(中務会長)。 |
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(質問) |
本部会長選で、推薦委員および予備推薦委員が選出されているが、近畿会の対応は? |
(回答) |
近畿会の正副委員長会議の判断を経て、自身が推薦委員となった(中務会長)。 |
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(質問) |
中務会長は、大阪証券取引所との懇談会に出席しているが、これは同社の監査役として出席したのか、近畿会の会長として出席したのか? |
(回答) |
近畿会の会長として出席した(中務会長)。 |
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(質問) |
地区会報告の中で、豊中市、池田市、箕面市の市長と面談しているが、面談の内容は? |
(回答) |
会計士制度と業界説明を行い、会計士として地方公共団体にどのような貢献ができるかという議論を行った(蔭山副会長)。 |
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(2) |
選挙管理委員等選任結果報告 |
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中務会長より、選挙管理委員及び予備委員の選任結果報告がありました。 |
(3) |
近畿会役員選挙結果報告 |
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園木選挙管理委員長より、平成22年近畿会役員選挙の結果報告がありました。 |
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4.審議事項 |
当定時総会の本人出席者数104名、書面決議書提出者数597名、合計701名である旨説明された上で、以下の事項が審議されました。 |
(1) |
第44事業年度予算外支出並びに収支計算書及び財務諸表承認の件 |
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〔定時総会議案書 47〜62ページ〕 |
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高谷晋介経理部長より予算外支出並びに収支計算書及び財務諸表の概要について説明がありました。 |
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〔監査報告〕 |
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谷口弘一監事より、「第44事業年度収支計算書及び財務諸表は適正」である旨の監査報 告がありました。 |
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以上の結果、賛成多数で可決されました。 |
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事前に質問があった事項に対する回答の概要は以下のとおりです。 |
(質問) |
(質問)会員厚生自家保険引当金の計上方針を教えてほしい。 |
(回答) |
(回答)慶弔細則に基づき、本部で保険数理計算によって算定された金額を計上している(高谷経理部長)。 |
(質問) |
(質問)未収会費の状況を教えてほしい。 |
(回答) |
(回答)未収会費3,960千円のうち、過年度発生分が1,220千円であり、当年度発生分は2,740千円である。過年度発生分については、年4回、手紙、電話による督促を行っている(高谷経理部長) |
(質問) |
(質問)重要財産等引当資産の内容を教えてほしい。 |
(回答) |
(回答)重要財産等引当資産は、当事業年度末に37,009千円計上されているが、毎期本部から地域会へ、入会金の1/4が交付されているものであり、土地、建物等の固定資産の取得に充当されるものである。2号議案でも説明するが、この交付金が廃止されるため、重要財産引当資産を本部に返金する予定である(高谷経理部長)。 |
定時総会の中で行われた質疑応答の概要は、以下のとおりです。 |
(質問) |
収支計算書に給与手当支出として、事業費支出に19,650千円、管理費支出として14,715千円が計上されているが、なぜ区分しているのか。 |
(回答) |
事業費支出は各部会の活動に係る支出であり、管理費支出は近畿会全般の業務に係る支出である。近畿会では職員が事業活動と管理活動を兼務しているため、収支計算書上では、按分計算して表示している(高谷経理部長)。 |
(質問) |
本部は監査法人および幹事による監査を受け、近畿会も幹事による監査を受けているが、監査コストをかけすぎではないのか。無駄なコストを排除し、近畿会財産の保全を図ってほしい。また寄付活動等、今保有している財産を有効活用して欲しい。 |
(回答) |
確かにそのとおりであり、本部監事とはその点で意見が不一致となっている。各監事は独立しており、他地域会の監事、外部監査法人のことまでは分からないが、近畿会の監事は近畿会会員のために活動すべきものであると考えている(谷口弘一監事) |
(質問) |
会員厚生自家保険引当金について、近畿C.P.A.ニュースで計上基準を開示してほしい。 |
(回答) |
近畿C.P.A.ニュースに記載するか、個別に手紙で連絡するか、対応を検討する(中務会長)。 |
(質問) |
会費が5,000円から4,000円に2年間限定で引き下げられたが、2年経過後はどうなるのか? |
(回答) |
2年経過後、改めて審議する方針である(中務会長) |
(質問) |
重要財産等引当資産は取り崩して本部に返すのか?もともとは近畿会のお金ではないのか? |
(回答) |
地域会の事務所保証金や賃借料は本部負担となり、地域会で計上しておく必要がなくなったため、本部に返すものである。もともと、地域会での固定資産の取得のための資金として本部から交付されていたものであり、地域会で自由に使える資金ではなかった(中務会長)。 |
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(2) |
協会本部交付金の廃止に伴う日本公認会計士協会近畿会規約及び経理規則の一部改正(案)承認の件 |
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高濱滋総務部長より説明があり、賛成多数で可決されました。 |
(3) |
第45事業年度事業計画(案)承認の件 |
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小川副会長より、次期会長予定者として、第45事業年度の事業計画(案)のスローガン、基本方針、重点施策について説明があり、賛成多数で可決されました。 |
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【スローガン】 |
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〜会計専門家の自覚と誇りを持って社会の健全な発展に寄与する〜 |
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【基本方針】 |
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我々は会計専門家としての自覚と誇りを持ち、あらゆる場で会計業務を充実・強化させる。また、独立性という特性を活かして、監査業務を盤石なものにし、保証業務を発展・浸透させる。これらを通じて社会の健全な発展に寄与する。 |
【重点施策】 |
@ |
本部の経営研究調査会・租税調査会等が過去に発表した成果を積極的に取り上げ、会員がより利用しやすくするために適切な検討・研究等を行う。 |
A |
国際財務報告基準(IFRS)導入に関するタイムリーな情報提供を行い、会員に対して、研修活動等を通じて適切な支援を行う。特に、中堅・中小監査事務所に対しては、本部との連携を強化し、実効性のある施策を行えるように準備をする。 |
B |
各非営利法人の制度及び会計基準等の研究を踏まえて、非営利会計の発展・拡充のための施策を行う。 |
C |
地方公共団体の会計制度及び監査制度の今後のさらなる充実・発展に向けて調査研究を進めるとともに、地方の目線を重視して積極的に情報発信を目指す。 |
D |
我々の日常活動そのものが広報活動であるとの認識を持ち、社会に広く理解されるように積極的に情報を発信する。 |
E |
職場の関係とは別に会員相互のネットワークを作り、会員一人ひとりが会務に参画しやすくするための施策を行う。 |
F |
他の専門家団体等との交流を深め、会員の業務拡大を図る。また、京滋会及び兵庫会との連携を緊密化することで、会員の利便性を向上させる。 |
G |
より魅力的な業界、協会、地域会になるための積極的な議論を展開し、本部等に適切な提言等を行う。 |
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小川副会長による重点施策の説明の中で、特に強調されていた点は次のとおりです。 |
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【@〜Cの重点施策に関連する事項】 |
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本部のガバナンス改革により、本部と地域会の役割の明確化が図られ、本部は各諸問題の研究活動、地域会は本部の研究活動の結果を受け、研修活動を強化する。 |
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過去本部の研究活動成果は充実したものが残されているため、それを近畿会会員にフィードバックするため、研修活動を強化していきたい。 |
・ |
本部の専門委員は目前の問題への対応で手一杯になっている状況であるため、近畿会では長期的施策を本部に提案していきたい。 |
・ |
本部は地理的に政治の中枢に近く、既存の制度に対して意見することに困難を伴うが、近畿会では制度に対する改善提案を行っていきたい。 |
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【その他の重点施策に関連する事項】 |
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自身の会長就任期間は、「公認会計士の日」の新聞広告は行なわず、日々の広報活動を重視する。 |
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現在でも女性会、若手会計士会といったネットワークが存在するが、同期会など、幾層にも亘るネットワークを構築し、会員相互の関係がより強化される施策を行う。 |
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(質問) |
監査上の不祥事対応等の問題が事業計画に織り込まれていないが、本部任せにするのではなく、近畿会としての対応をお願いしたい。 |
(回答) |
意見として承る。 |
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(4) |
第45事業年度収支予算書(案)承認の件 |
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高谷晋介経理部長より、第45事業年度収支予算書(案)の説明がなされ、賛成多数で可決されました。 |
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5.会員褒章 |
協会活動に永年貢献してこられた3名の会員が、近畿会褒章細則第2条第1項第1号により褒章されました。
また、さらに、協会活動に永年貢献してこられた林恭造会員と國分紀一会員が、近畿会褒章細則第2条第1項第3号により褒章されました。 |
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6.閉会の挨拶 |
中務裕之会長より閉会の挨拶がありました。 |
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U.協会本部会務報告 |
本部増田会長及び本部中務副会長から、パワーポイントを使用して最近の本部会務について説明がありました。
その概要は、以下のとおりです。 |
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1.監査への信頼回復のための自主規制を着実に実行し、見える形で社会にアピールするための施策
(1)品質管理レビュー制度の着実な実施
(2)継続的専門研修制度の運営
(3)会費滞納者の懲戒処分
(4)懲戒処分のあり方の見直し
(5)自主規制の強化に向けた対応
2.国際的動向を踏まえた、会計・監査環境の整備・改革に向けた対応と必要な施策
(1)IFRS導入への対応
・JICPAの対応
・非上場会社の会計基準のあり方
(2)上場会社のコーポレート・ガバナンスとディスクロージャー制度への対応
(3)地方公共団体の公会計基準整備に向けて
(4)公会計および非営利会計・監査制度改革に関する要望のとりまとめ
3.会計プロフェッションとしての多様、多才な人材を確保し育成するための施策
(1)金融庁「試験合格者等の育成と活動領域の拡大に関する意見交換会」
(2)平成22年公認会計士試験合格者への対応
(3)公認会計士試験制度をめぐる問題への対応
(4)会計教育研修機構の設立
(5)税理士法改正をめぐる動きへの対応
4.業務の多様化等の社会的ニーズに適切に対応していくための会員支援策の検討
(1)税務業務を行っている会員の組織化に向けた対応
(2)企業内会計士の組織化に向けた検討
5.協会組織・機構改革の着実な実施とさらなる改革の推進
(1)協会組織・機構改革の実施
(2)財政構造改革に向けた対応
(3)広報戦略と活動展開
6.60周年記念事業の実施
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V. 会員の声を聞く会 |
会員4名から主に本部活動に関する質問があり、本部増田会長より回答および説明がありました。 |
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