報告

近畿実務補習所入所式開催報告

近畿実務補習所運営委員会委員長 増田 明彦

 
 実務補習機関会計教育研修機構近畿実務補習所2009期生入所式が、12月9日(水曜日)夕方6時より弁天町のホテル大阪ベイタワーの4階ベイタワーホールで行われました。前年度までは、日本公認会計士協会近畿実務補習所でしたが、平成21年7月設立の一般財団法人会計教育研修機構が11月に実務補習機関として認定されたことに伴い、本年度より会計研修機構の近畿実務補習所として運営されることになりました。
 今年度の実務補習所2009期生は395名(最終的には東京実務補習所への転出等あるので350名前後になることが推定されます)と、前年の488名を下回っておりますが、入所ガイダンスの時点で実に153名が未就職(学生を含みません)という厳しい状況でした。
 さて、入所式ですが、伊藤誠一近畿実務補習所運営委員会副委員長の司会のもと近畿実務補習所運営委員会委員長(私)の開式の辞に続き、佐伯剛近畿実務補習所所長の式辞がありました。佐伯所長からは、大量合格対応特別委員会が実施したアンケートの結果をもとに、多数の未就職者がいる現在の厳しい状況や未就職者の意識等の紹介をされ、金融庁の「公認会計士制度に関する懇談会」についての説明をされたあと、毅然とした態度で社会の信頼もしくは期待に応えてほしいこと、視野を広げて幅広い会計士になってもらいたいこと、関西、近畿の誇りをもって伝統を継承してもらいたい旨を述べられました。
 その後、ご来賓である原田要暢近畿財務局理財部長、続いて増田宏一日本公認会計士協会会長より会計教育研修機構理事長としてご祝辞を頂戴いたしました。原田理財部長からは、社会的責任の重さに対する覚悟をもってほしいこと、監査にかける熱意、相手に対する思いやりをもってそれぞれの会社に接してもらいたいこと、先輩等との対話の中で将来目指すべき会計士像を描いてほしいこと、厳しい就業環境ではあるが補習所で専門知識を習得し、会計、監査のプロフェッショナルに育ってもらいたいとのお話しがありました。続いて 増田会長からは、会計教育研修機構についてのお話しの後、今は厳しい状況だが、国際財務報告基準の導入、公会計監査の導入等、公認会計士の仕事はたくさんあるということ、日本の社会、会計の透明性を高めることによって国民が適切な判断ができるようにすることが大事であること、業務補助・実務従事の機会を設けるように金融庁・経団連とともに努力していること等のお話しがありました。そして、試験に合格したのは、会計専門家としてのスタート台にたったということで、自分の頭で考えるということが大事で、時には会計ルールがそれでいいのかというところまで考えて欲しいということ、さらに、健康が大事であるというお話しの後、最後に環境は厳しいが将来は必ず改善するので自信をもって頑張って欲しいとの励ましのお言葉がありました。
 増田会長のお話しのあと、修了生の表彰がありました。考査部門の金賞として伊藤洋介さん、考査部門の銀賞及び出席部門の精勤賞として松永太郎さんが表彰されました。
 その後、2009期入所生395名を代表して原祐里奈さんが、社会的責任の重さを痛感し、会計士としてのほこりと地位の継承に努め、後輩の目標とされる会計士となれるよう日々精進し励む旨の答辞をしっかりと読み上げ、谷口誓一近畿実務補習所運営委員会副委員長の実務補習所としては自己実現のためにまじめに努力をする補習生を誠意をもってサポートしていく旨、大変な時ではあるが、後で振り返れば逆にチャンスであったということもあるので真面目に頑張ってくださいとの閉式の辞で閉会しました。
 続いて午後7時より日本公認会計士協会近畿会、兵庫会、京滋会三会主催の平成21年度公認会計士試験合格者歓迎懇親会が入所式と同じホテル大阪ベイタワーホールで開催されました。高濱滋近畿会総務部長の司会のもとに中務裕之近畿会会長が主催者側として挨拶され、上林三子雄会計教育研修機構運営委員による乾杯のご発声で祝賀会が始まりました。今回は、未就職者が多数いるということもあり、各テーブルに近畿会の幹事もしくは近畿実務補習所運営委員会の委員を配置して、実務補習生と積極的にコミュニケーションをとるという試みがなされました。各テーブルで実務補習生と幹事、運営委員が互いに語り合い、非常にいい雰囲気であったと思います。
 最後に蔵口康裕近畿会副会長の閉会の挨拶により閉会となりました。
 
(参考)2009年期入所状況
2009年期生  男 性  女 性 合 計
平成21年合格者 289名 82名 371名
平成20年合格者 21名 3名 24名
合  計 310名 85名 395名