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○中村部員 |
もともとの士勇会の成り立ちの経緯を教えてください。 |
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○熊谷代表 |
そもそも、私が会計士補会(現準会員会)の分会長をやっているときに、「若手を中心とした、他士業を巻き込んだ勉強会をやろう」という声が上がり、活動を始めました。私が分会長をする以前の会計士補会の時から弁護士の先生方との勉強会・交流会はやりたいなという話はずっとあったのですが、なかなか機会がなくてできなかったのですね。
それで、私の代で実現させたいと思っていたんです。私の代の会計士補会の1年間のテーマが、『プライドを取り戻せ準会員』というものだったので、準会員の活動を活発化し、知識や人間関係の幅を広めてお互いが高め合えればと考えたのが発端です。
どうやったらみんなが、もちろん私も含めて、自分が会計士というプライドを持てるかなというのを考えたのです。他の他士業の人から会計士として見られる場所にいたら、会計士としての自覚を感じて向上心を刺激できるのではないかという結論に至りました。
このように考えている頃、たまたま人のご縁で大阪弁護士会にアクセスすることができ、大阪弁護士会の副会長をご紹介頂けました。そこで若手同士の交流をやらせてくださいとお願いしたら、若手弁護士の先生方をご紹介していただいて、そこが士勇会のスタートになりました。
紹介していただいた大阪弁護士会の若手先生方というのが、業務改革委員会という大阪弁護士会の中で他士業との交流を担当している部署で、平成17年、16年の司法試験合格者である、60期と59期の方を紹介していただきました。 |
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○中村部員 |
まずは、熊谷さんたちとその弁護士の先生方が中心となって結成されたのですね? |
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○熊谷代表 |
そうですね。平成20年の3月にその方々6、7名と幹事を構成させていただくことになり、まずは、名前を決めようという話になりました。「士勇会」という名前は、若手士業がプロ意識を持ち、今までなかったものを勇気を出して積極的に作り出していこうという意味で名付けました。
その後、平成20年6月に1回目の懇親会を開催させていただきました。そのときはお店の定員が50名だったのですが、あっという間に参加希望者が定員を超えてしまいまして、毎回そうなのですが、キャンセル待ちになってしまいました。今年の8月28日の民事再生・倒産に関する勉強会も申し込み100人以上の盛況ぶりでした。
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○中村部員 |
すごいですね。では、士勇会の活動趣旨について教えてください。 |
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○熊谷代表 |
大きく二つあります。一つ目が、同年代の若手が一緒に成長していこうということ。もう一つが、ずっと同じ士勇会という媒体を継続させることで、10年後、20年後に新しく入ってきた新人士業者同士もずっと一緒に成長していけるような機会をつくっていこうということ。この二つをモットーにやっています。自分たちだけではなくて、自分たちのずっと後輩にも有意義な会にしていきたいと思っています。 |
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○中村部員 |
ずっと、10年、20年、この士勇会が続いていってということですね。その幹事もずっと代替わりしていって、若手の人に引き継いでもらったらみたいな感じなのですよね。
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○熊谷代表 |
そうですね。今、公認会計士・弁護士・不動産鑑定士に1人ずつ代表者がいるのですけれども、歴年交代ということを決めています。現在の公認会計士側の代表は私ですが、やがては後輩に引き継いでいってもらうつもりです。 |
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○中村部員 |
若手中心ということですが、士勇会に入る資格条件はあるのですか。 |
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○熊谷代表 |
幹事の対象年次は、できたばかりの会なので決まってはいないのですが、勉強会参加の対象年次は合格1年目から8年目を中心にやっています。
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○中村部員 |
それは、どういう趣旨で設定されているのですか? |
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○熊谷代表 |
大きなくくりとして、スタッフからマネジャーになりたてぐらいまでの方を中心に考えています。それ位の年次というのは、なかなか他士業と交流する基盤が少ないと思うので。またテーマは基本的に非監査業務を考えています。どちらかというと、大きな勉強会では、さわりだけをやるようなイメージで考えています。小規模勉強会では、もうちょっと深くやろうと思っているのですが、大きな勉強会では、会計士の活躍の場は、こんなのがあるよ、他にもこんなのがあるよ、弁護士の場は、こんなのがあるよ。こうやってクロスセクションができるから、一緒にここで仕事ができますよということを、まず紹介するための勉強会というのが頭にあります。
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○中村部員 |
こういう非監査業務があるよという紹介のための勉強会というのが、全体での勉強会なのですね。 |
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○熊谷代表 |
そうですね。入門編というのを講師の方にお願いしています。各分野に対する知識レベルが各士業で全然違うのですよね。実際、この前の勉強会でも思ったのですが、我々は数字は読めますけれども、弁護士の方は決算書の数字やEBITDAとは何かをあまりわからないので、その辺のレベル調整もまた難しいのです。逆に我々は訴訟についてはすごく疎い。だから、ちょっとレベルを上げようと思うと、人数を絞らないと難しいかなと思っています。 |
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○中村部員 |
今後も会計士、弁護士、不動産鑑定士の先生方3業種でお互いの業務に関連することをテーマにやっていくということなのですか? |
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○熊谷代表
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全体ではそのつもりです。ただ、中には何かに特化した勉強会もやっていきたいなと思っています。何でもできるじゃないですか、会計士ってきっと。弁護士や不動産鑑定士の方も同じです。会計士だから、この仕事しかできないというような概念をまず失くしたいという思いが士勇会設立メンバーにはあるので、「こういうのがありますよ」というのを発信していきたいと思っています。 |
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○中村部員 |
どんどんいろんなことをやっていって、みんなで勉強していって、みんなで知識も深めて、交流も深めていこうという感じなのですね。 |
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○熊谷代表 |
そうですね。ただ、どんどんレベルを上げていくと今度は数年後からの新人からすると、敷居の高い組織になってしまうので、それはそれで入門編とシニアぐらいに、将来としては分けることもあるかもしれません。
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○中村部員 |
面白いですね。いま士勇会に所属されている方々というのは、長期間のスパンでお付き合いしていくことを前提に考えられているという感じなのですよね。
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○熊谷代表 |
個人的にも仲良くなるので、将来、独立したりしたら、一緒に仕事ができたらいいなと、お互いに言っている参加者もいます。不正検査をやったり、M&Aをやったり、企業再生をやったり。「じゃあ俺、再生計画を見るからそっちは申立やってよ」とかできるようになったらいいなと思っています。 |
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○中村部員 |
すごく面白い発想ですね。今の若手の方々の前向きなパワーを感じます。 |
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○熊谷代表 |
このような趣旨を持って活動できるのも、近畿会を始めとするベテランの方々のご協力による部分が大きいです。近畿会の役員の方々には若手の育成に力を貸していただける方がとても多いのです。最初のころはあまりコンタクトを取らずにやっていたのですけれども、若手他士業交流小委員会をつくっていただいたのも、若手が頑張っているから、それだったら力を貸してあげるよということでやって頂いていますし、会議室もよく借りさせていただいています。また法人の上司の方たちも、協力してくださる方が多くて、本当にまわりの方々の協力で我々は成り立っていると感じています。色々な人にご協力を頂いているので、頭が上がらない人が増えて大変です(笑)
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○中村部員 |
ありがたいですね。では、これからの勉強会のスケジュールを教えてください。 |
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○熊谷代表 |
1年の頭に、1年間のスケジュールを立てていて、3、4カ月に一度勉強会をしようという予定でやっています。平成21年4月は、不動産鑑定士の方に不動産鑑定評価の基本講座というのをして頂きました。8月は、弁護士の方に民事再生・倒産についてご教授いただきました。
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○中村部員 |
民事再生に参加させて頂きましたが、すごく有意義でした。すごく勉強になったので、あれが入門と言われるとつらいです(笑)
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○熊谷代表 |
次は11月に公認会計士の安原徹先生にM&Aについてお話頂く予定です。来年度も今年と同様のスケジュールを考えています。
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○中村部員 |
全体の勉強会と平行して、先ほどお話されていた小規模の勉強会も計画中だとおっしゃってましたが、現在計画中の具体的な内容を教えてください。 |
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○熊谷代表 |
その部分はこれから検討して行こうと考えています。例えば税務訴訟だったり、企業価値評価・不正検査や非営利法人関係等について、本当に専門家レベルの話というのをやれる会を小規模な勉強会ではしたいなとは思っているのですが、まだそこまで話し合いをできていないですね。
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〜京滋会、近畿会の会員の皆様の参加について〜 |
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○中村部員 |
ところで、協会活動は、近畿会・京滋会・兵庫会に、分かれていますが、士勇会はそういった垣根は無いのですね? |
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○川野幹事 |
そうですね。協会活動自体は、分かれているのですが、士勇会の参加対象は、近畿会、京滋会、兵庫会の各若手の皆さんです。これは元々会計士補会(現準会員会)が士勇会の会計士側窓口をやっていたためです。我々、会計士補会会近畿分会は、近畿会・京滋会・兵庫会に所属するすべての準会員等がその構成員であるため、士勇会も地域会とは関係なく、ご参加頂けます。
今まで、大阪での活動が多かったため近畿会員のみを対象にしていると思われていたのかもしれませんが、そうではありません。今後は、士勇会の活動を、京滋会や兵庫会の方々にも知っていただいて、是非ご参加いただきたいと思っています。現状では、大阪で開催していますが、参加希望者が増えれば、京都や神戸でもやっていきたいので周知していきたいと考えています。
士勇会や会計士補会では年次や所属法人等の壁を越えて色々な方とお話出来る機会を持って頂けます。今後も若手の視野を広げる手助けが出来ればと考えています。
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○滝本幹事 |
士勇会に近畿会・京滋会・兵庫会といった垣根はないですね。私は兵庫会に所属していますが、士勇会の活動に関して何の不自由も感じずに参加しています。是非、京滋会、兵庫会の若手の方にも積極的に参加いただきたいです。
私自身、士勇会活動に参加して、本当に良かったと思っています。普段の生活では会えない若手の弁護士の方ですとか、独立なさっている不動産鑑定士の方とお会いして、良い刺激を受けているので。少しでも士勇会の活動に興味をお持ちになった方は、まずは一度、士勇会の活動に参加していただきたいです。
小規模な団体ですので、フットワークが軽いのが利点です。「こんなことがしたい」「こんな点は修正して欲しい」という意見があれば、実現可能な範囲で、すぐに採用して次回の活動に反映させています。士勇会活動に参加なさったら、意見を持って帰らずに、是非、幹事に言って頂きたいと思います。
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〜若手他士業交流小委員会との関連について〜 |
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○熊谷代表 |
最後に若手他士業交流小委員会と士勇会の関連についてお話させて下さい。士勇会自体は公認会計士・弁護士・不動産鑑定士で運営している団体なのですが、これをJICPA近畿会としてサポートする団体として、今年度より厚生地区会部の中に、種田ゆみこ厚生地区会部長を委員長とする若手他士業交流小委員会を設立して頂き、我々も委員に加えて頂いています。具体的には会議室や近畿会のメーリングリスト等を利用させていただいたり、講師をご紹介いただく他我々では気づかない点について御指導を頂いたりしています。
士勇会は若手で運営しており、まだ駆け出した段階ですので、まだまだ至らない点が沢山あると思います。今後はそういった点を修正しつつ若手に、ひいては業界に資するような会にしていきたいと考えています。今後も温かい目で、時には厳しいお言葉で見守って頂ければと思います。
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