地区会コーナー

奈良地区会の定期総会 &意見交換会

奈良地区会 会長 岡本善英

 
 平成21年7月4日(土)午後5時から近鉄奈良駅前の春日ホテルで奈良地区会の定期総会及び講演 会並びに懇親会を開催しました。
  奈良地区会では、会員相互の親睦をベースに、講 演会の内容については、奈良の地域性を盛り込み、 CPEの単位を付与できるテーマにしてきました。
  今回は「奈良県の地価の現状と今後の動向につい て」というテーマで、社団法人奈良県不動産鑑定士協会会長の槇原清一先生に講演して頂きました。因みに13名の会員の出席がありました。 槇原先生は、日本大学の芸能学部卒業で歌手の阪本九の付き人をしていたという異色の方で、今でも芸能人との交流があるとのことです。 槇原先生は、奈良県の地価の現状と今後の動向について、平成21年は前年より2%強下落しており、 今後も回復基調にないだろうと述べられました。 また、鑑定評価について、鑑定評価のプロセスや鑑定料金についても言及されました。 会計士としては、減損会計の時に鑑定書を取り寄せる場合がありますから、参考になりました。 税務上では、同族間の不動産売買に際して、売買価格の算定に鑑定書を利用するケースが増えているとのことでした。
 バブル期の話もされましたが、奈良では現状の地価はバブル期の5分の1程度になっているとのことです。槇原先生は、バブル期には他の鑑定士事務所に勤務されていて、その当時月給が600万円(何故かこの金額が脳裏に焼きついています。)あり、金銭感覚がおかしくなっていたと仰っていました。 槇原先生の興味深い話に、会員の皆様は頷いたり、 あっけに取られたりで、質疑応答も熱心にされてい ました。
 この講演会の前の定期総会では、奈良地区会の事 業報告、決算報告、監査報告、事業計画、予算案並びにそれらの承認が行われましたが、その中で、奈 良地区会としても奈良県下の中小企業の再生支援活動を組織的にもっと活発に行うべきではないかとい う会員の意見がありました。
 
 奈良地区会では、平成21年3月27日に奈良県 中小企業再生支援協議会の担当の方々に「奈良県の中小企業の現状と再生支援活動状況について」とい うテーマで講演をして頂きました。その際に、同協 議会の方々に奈良地区会もその活動に協力したいと
の意向を伝え、同協議会の方々からもお願いします (多少社交辞令が入っていたかも)との回答を頂いていました。
  このような経緯もあり、会員から上記のような意 見が出たのは当然のことであると思いました。
 
 そこで、奈良地区会の企業再生支援活動についての意見交換会を開催することになりました。
  平成21年8月1日(土)午後4時からホテルフジタ奈良で意見交換会を開催しました。
 私は奈良地区会長になって5年目になりますが、 いつも講演会と懇親会をセットで企画してきましたので、今回のような意見交換会は初めてで、その案 内状を発送する時、どのような会員の方が何人ほど出席されるのか全く予想が付かず不安と期待で一杯でした。案内状の回答欄は4択にしました。
1. 意見交換会に出席する。
2. 意見交換会には出席できないが、今後この件の 案内を希望する。
3. 意見交換会に欠席し、今のところ関心はない。
4. その他(                 )
 
  回答の結果、1は16名、2は18名、3は8名、4は0、で合計42名でした。 1と2を合わせて34名の会員の方々が、企業再生支援活動に関心を持っておられるようで、奈良地区
会の会員総数320名からすると1割強になります。 この1割が多いのか少ないのか、私は多い方だと思 います。1割に甘んじていてはいけないですが、近 畿会の定期総会では出席者は100名程度で会員総数は3千数百名ですから3%程度です。
  意見交換会の出席者は16名でした。30歳台の方が多いように思われ、女性も4名おられました。 最近、監査法人を退職して独立した方が目立ちまし た。
 意見交換会をどのように進行して行こうか思案しましたが、まず中小企業再生支援協議会のしくみや 同協議会のスキームの概要について説明することにしました。こういう内容について詳しい経営委員会 の百々季仁委員長に解説して頂きました。百々委員長は同協議会を通して企業再生案件を何件も手掛けられていて、経験談を交えて話をされましたが、 「ここだけの話ですが・・・」とか「他言無用でお 願いしますが・・・」とかオフレコの内容が結構多 く会員の皆さんは関心を持って聞いてメモを取られていました。
  百々委員長の話で重要な点の一つは、同協議会の案件は経営委員会の所轄であり、会員業務部の所轄 ではないということです。つまり、経営委員会が、 自ら主催した企業再生セミナーを受講した会員を登録し、その登録名簿を同協議会に提出して、同協議
会がその名簿から人選するというシステムになっているということです。このシステムは大阪府の場合 であって、奈良県の場合にはこういうシステムは確立されていないようです。
  奈良県の同協議会の案件は年間4〜5件程度で少 ないので、こういうシステムにはなっていないらし いです。大阪府の同協議会の案件は年間20件程度ありますから、奈良地区会の会員の方も企業再生支援を志す方は、一旦、経営委員会に入会し、所定のセミナーを受講し登録することをお奨めしますとのことです。
 百々委員長は奈良県の同協議会にも詳しいので、 奈良県の同協議会にも大阪府のようなシステムを導 入するように話をしてみると言われました。
 
 その後、出席者に自己紹介を兼ねて企業再生支援への取組みや奈良地区会への要望について語って頂 きました。
 この意見交換会には、厚生地区会部の種田部長も 出席されていました。種田部長は、奈良地区会で何 かアヤシイ?動きがあるとの情報を察知し、偵察に来られたようです。お疲れ様でした。
 
 意見交換会は午後6時過ぎに終わりましたが、その後、10名が近くの居酒屋で午後10時まで食べて飲んで、本音の意見交換会が続きました。
  今回の意見交換会は、珍しく、若手中心の会合になり盛り上がりました。独立して間もない若手の方が先輩からアドバイスをもらい、同じ境遇の者同士励まし合うという光景が見られました。  今まで各地区会では、「出席者は年配の方が多くて、若手は出席しにくい」という声がよく聞かれました。最近は、若手の方の出席は増えてきているよ うに思いますし、喜ばしいことであります。しか し、そこで危惧することは今までとは逆に「出席者 は若手が多くて、年配者は出席しにくい」という状況になることです。
 老若男女、いずれの会員の方にも出席しやすい会 にするのが地区会の使命です。難しいですが。若手 は年配者から知恵をもらい、年配者は若手から活力 をもらうという構図ができればいいのですが。
 奈良地区会では、企業再生というテーマを一つの
足掛かりに、色々と企画運営していこうと思います ので、会員の皆様、ご協力の程、よろしくお願いい たします。