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挨 拶 |
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日本公認会計士協会東海会 会長 越山 薫氏 |
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![]() 中日本五会研究大会は、今回で40回目を迎えることになりました。この様な節目の年に名古屋で開催することができ、主催者側といたしましては大変うれしく思っております。 会計士業界は、今年度から始まった内部統制監査の準備や四半期レビュー制度の導入などで、ここ数年大変忙しい時期を過ごしてまいりました。今現在は年度末の内部統制の評価に向けて、いよいよ大詰めの段階を迎えていることと思います。適用初年度ということもありいろいろと大変だと思いますが、不正会計の機会を減少させて資本市場の発展を守るためには、是非この制度を定着させなければならないと考えております。今日はこの後中日本五会6,000人アンケートの結果報告を得まして、パネルディスカッションを行う予定となっております。テーマは「公認会計士監査の現状と将来」ということで、我々公認会計士にとりましては非常に興味深いテーマとなっております。会員の皆様方も是非ご一緒に会計士業界の将来につきましてお考え頂ければと思っております。 会計士業界は今後公会計の分野あるいは政治資金規正法監査の分野におきまして、仕事の領域が広がってくる可能性があります。特に公会計の分野におきましては、適正な公会計基準を整備しなければならないと同時に財務4表を各地方自治体に作成して頂く必要があるかと思います。加えて監視機能を強化してガバナンスが有効に機能するようになれば自治体の破綻に歯止めをかけることができるのではないかと考えております。また、公会計と共に今後大きなテーマとなってきますのは、国際会計基準へのコンバージェンスあるいはアドプションといったテーマがあるかと思います。日本の会計基準は会計ビックバーン以降大幅な進化を遂げており、一昨年8月の東京合意以降、国際会計基準へのコンバージェンスに向けて活動を行っておりましたが、昨年の12月に欧州委員会におきまして日本の会計基準は国際会計基準と同等であるという評価を頂いております。しかしながら、ここにきてアメリカが国際会計基準を採用する方向に動き出したこともあり、日本だけが独自の会計基準を採用する訳にはいかないというふうになってくると思われます。国際的な動きに歩調を合わせるという意味におきましても、将来的にはIFRSを採用せざるを得なくなってくると思いますのでそれに向けた対応も必要になってくるものと思われます。 一方、公認会計士試験制度につきましては、一昨年に引続き昨年も合格者が大変増えました。今まで大幅な人手不足だったことが解消されるという意味におきましては、大変望ましいことではありますけれども、急激な合格者の増加がありましたので、今後このような傾向が続きますと監査法人だけで合格者を採用するというのは困難な状況になってくるものと思われます。合格者の増加に合わせまして企業内会計士として活躍される方がこれから増えてくるということであれば、結果的には会計のファンダメンタルスが広く経済社会に浸透してくるということになりますので、公認会計士として活躍できる場所が監査法人だけに限らず一般企業にまで広がってくるいうことであれば、ある面でいえば望ましいことではないかなと考えております。 今回のパネルディスカッションにおきましては、監査法人あるいは監査業務の話が中心になると思います。監査法人と言いましても、最近でこそ毎日、新聞や雑誌で取り上げられるようになりましたけれども、つい数年ほど前まではあまり世間では知られていませんでした。また、最近でも監査法人という名前を知っていても、なかなか実際にどのような仕事を行っているかまでは知られていないのが事実かと思います。そういった意味におきましても、今後も公認会計士あるいは監査法人の業務を広く社会に知って頂くために、広報活動に力を入れていかなければならないし、また公認会計士に対する社会的な期待ギャップの解消に向けて会計士協会としても是非取組んでいかなければならないと考えております。 それから、最近の公認会計士協会の取組みといたしましては、地域会の活動評価があると思います。今回新たなテーマとして取り上げられました。昨年、第1回目の活動が行われました。中日本五会に属する地域会につきましては、相対的に満足のいく活動が行われていたとの結果がでておりますけれども、今後さらにお互いに他の地域会活動を参考に致しまして、さらに地域会の活動を活発にして行かなければならないと考えております。また、それに加えて、協会活動に積極的に取組んで頂ける人材を地域会からも育てていく必要があるのではないかと考えております。いろいろ取組まなければならない課題もたくさんあると思いますけれども、皆様方のご協力を得ながら中日本五会あるいは公認会計士協会として積極的に取組んでいきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致します。 最後になりますが、本日ご参加の皆様方の益々のご発展とご健勝を祈念して私からのご挨拶とさせて頂きます。 |
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(報告:神谷直巳) |