報 告
会計士補会活動報告
〜パネルディスカッション「独立開業者の成功の秘訣」〜

藤原 良介

 

 去る平成19年7月14日、日本公認会計士協会クラボウアネックスビル2階会議室において、会計士補会近畿分会及び有限責任中間法人研友会の共催でパネルディスカッションを開催いたしました。
 研友会から監査法人勤務を経て独立開業された先生を3名お迎えし、「独立開業者の成功の秘訣」のテーマで、会計士補、公認会計士試験合格者及び若手公認会計士の前で約3時間に及ぶパネルディスカッションを行っていただきました。
 当日は台風が接近する中、悪天候となってしまいましたが、総勢60名程度のご参加を頂き、盛況のうちに終える事ができました。ここではパネルディスカッションでお話いただいた内容と参加者のアンケート結果を簡単に報告させていただきます。

 
【パネラー紹介】
  菊地潤也先生
    監査法人勤務6年を経て、9年前に独立開業。現在は税理士法人を主宰し、大阪、名古屋にパートナーを有する。
     
  里見良子先生
    監査法人勤務6年を経て、4年前に独立開業。
2人の子供を育てながら、税務業務及び監査法人のパート業務を行っている。
  菅原正明先生
    監査法人勤務8年半を経て、5年前に独立開業。
IPOと公会計を中心に奮闘中。
 
【ディスカッションテーマ】
1.独立のきっかけと独立直後の活動
監査法人勤務時代からおぼろげながら、独立を考えていました。
結婚、出産を機に独立しました。
まず自宅を事務所として開業しました。PC、FAX、コピー等を購入し、その他はほとんど設備投資していません。
最初は職員を雇う余裕はなく一人で始めました。
   
2.開業当初のクライアント獲得活動
親戚や友人などの縁を頼って、手製パンフレットを配り、クライアントを獲得しました。
研友会の求人メール等を利用して仕事を探し、予備校の講師とベンチャー企業の顧問に就任する一方で、クライアント獲得活動を行いました。
異業種交流会に出席しました。
   
3.監査法人時代に得た経験や知識で独立後役に立っているもの
監査法人勤務時代は報告書を作成する機会が多く、ドキュメント作成能力が培われました。
監査を通じ、優れた内部統制が構築されている会社を見ることができました。
   
4.独立してから苦労したこと
監査法人時代と異なり、新しい会計基準等のキャッチアップなどに苦労しました。
監査法人時代では源泉所得税、消費税及び地方税など税務実務に関する経験を得る機会が少ないため、独立後苦労しました。これらは実務対応する中で習得する必要があります。
   
【参加者へのメッセージ】
現在公認会計士のニーズが非常に高まっています。将来に不安はありますが、独立したことを自分としては後悔していません。
一方、監査法人に勤務して監査業務に従事する公認会計士は大きな社会的貢献をしていると考えられます。監査法人に勤務するとしても本日の話を役立ててほしいと思います。
   
【参加者の感想】
非常に有意義な講演であり、特に監査法人勤務時代に得たメリットを聞けたのが良かった。
独立してもとりあえず頑張れば何とかなるという自信が持てて良かった。