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公認会計士からみたアカウンティングスク−ル | |
会計専門職大学院に実務家教員として参加して |
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西田 隆行 |
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![]() 昨年の6月から実際に毎週土曜日の午後1時から4時までの2コマ(1コマ90分)、第2四半期、第4四半期で「財務事例研究」、第3四半期で「監査事例研究」の講座を担当しています。非常に光栄であり、日々、緊張感を持って講義をこなしている状況です。 さすがに、将来の会計士を目指す方々が中心ですので、講義中でも気が抜けず、事前準備にも相当、時間をかけて臨んでいます。 少人数での講座ですので、円卓形式の互いに顔を見ながら授業を進める方法をとっていますので、一日2コマ(180分)の時間は非常に充実した時間となっています。 院生のなかには、現役の公務員、会社員の方々も一緒に参加されており、ある意味では目的を一にした仲間が集合しているわけですので、緊張感のなかでも真正面から事例研究に対処していく姿勢に、こちらも十分に答えてゆかねばならないと、昨年1年間は必死で講義の準備を行いました。 生徒の皆さん方は、はっきり言ってかなりのレベルに到達している方ばかりであり、講義でも、ドキッとするようなレベルの高い質疑応答が飛び交います。 私の担当は、読んで字の如く、事例研究であり、ある意味では学生諸君にとって未知の世界かもしれません。 その為に、普段はかえって実務的な問題に触れることがないので大変興味を持っているようです。 大学の講座でも、そのようなニーズが今後益々、増えてくるのではと感じています。 ただ、会計士を目指している皆さんには、実務的なことに対しても、それほどギャップは感じられません。 非常に理解が早く、時にはこちらが立ち往生するような質問が飛んできて、冷や汗をかくこともしばしばです。 講義は、土曜日の午後のみで、かつ、監査繁忙期の4月から6月中旬までは担当できない、とのわがままを、大学側にご了解頂き、実務家教員としてお引き受けしたしだいです。 昨年1年間は、監査法人の勤務があり、又、授業の準備を白紙状態から行わねばならず大変でした。 今年は昨年のデータや学生諸君の意見も頂き、ある程度余裕を持って授業に望んでいます。 私が母校の関西学院大学に入学した頃、又、会計士試験を目指して勉強していたころと比べ、予想もしなかった会計専門職の大学院(アカウンティングスクール)が出来、本当に驚いていますと同時に、自分がその一員として、大学に恩返しが出来ているのではと非常に光栄にも思っています。 次の世代を受け持つであろう会計士受験者の諸君とこのような時間を共有できることに非常に感謝しています。 可能な限り、実務における会計・監査の役割、会計士としてのさまざまな局面での対応の仕方等、実務家教員として、披露できる限りの事例をベースに、フリーディスカッションをベースに、講座をこなしています。 昨年、今年とも、受講生は10名前後で非常にやりやすい人数であり、教科書は指定していますが副本として利用し、講義では、事例を中心とした資料をその都度準備し、学生の皆さんと絶えず議論しながら、理解を深めて頂くべく、心がけています。 実務における事例は、院生諸君には非常に新鮮に写る様で、この方式を今後も続けてほしいとの要望が多く、教科書は副本として講義ではあまり使用せず、むしろ手製のレジメが中心の講義となっています。 ただ、その方が院生自身が自分で考え、結論を出していく、将来の会計士としてのトレーニングにもなり非常に有効な方法だと思っており今後も引き続きこの方法を継続していきたいと考えています。 |