ワールドカップを楽しもう!
 
はじめに
  2006年にはいよいよ世界最大のスポーツイベントと言われる4年に一度のサッカーワールドカップがドイツで開催されます。
編集部では、ワールドカップをより楽しんでいただけるように、サッカーのルールについての解説を行っていきたいと思います。
  サッカーの競技規則はたった17の条項からなっており、汚さやずるさの反スポーツ的行為を排除する一方で、フェアーであるならば選手同士の激しい体の接触も認めるというシンプルな精神に基づくものです(良く「分かりにくい」と言われるオフサイドのルールも結局は「相手ゴール前でボールを待ち伏せするのはずるい」というシンプルな発想によるものです)。
  サッカーは、このシンプルな規則と丸いボール一つを共通語とする世界で最も美しく愛されるスポーツとして、数多くの伝説的なゲームやプレーヤーを生んできました。
 
第一回 フィールド・ボール・競技者数・試合時間
  サッカー競技規則の第一条から第七条は、競技場(フィールド)やボール、競技者数、試合時間等について定めています。
 細かな取り決めを別とすれば、競技者数は11人、試合時間は前後半45分の90分で行われ、また、ボールについては皮やその他定められた材質で一定の外周・重さ・気圧のものを用いることとされています。
 競技場(フィールド)については、下図のように定められています。

各エリアの持つ意味合い等については、次回以降でその都度説明いくこととします。
   
@ フィールドの大きさ
 競技場の大きさは縦(タッチライン)90mから120m、横(ゴールライン)45mから90mと定められ、タッチラインはゴールラインよりも長くなければ(つまり長方形でなければ)ならないとされています。なお、ワールドカップやオリンピックでは縦105m×横68mとされています。
   
A センターライン(ハーフウェーライン)とセンターサークル
 フィールドを2等分するラインをセンターライン(ハーフウェーライン)といい、センターラインの中央をセンターマークといい、キックオフの位置になります。
また、センターマークを中心にセンターライン上に描かれた半径9.15mの円のことをセンターサークルといいます。9.15mというのはフリーキックやコーナーキックなど、ボールが静止状態で始まるプレーに対して、相手競技者がボールから離れなければならない距離です。従って、キックオフの際には、相手競技者はセンターラインから自軍ゴール側のこの円の外側にいなければなりません。
   
A ゴールエリア
 両ゴールポストの内側から5.5mの所に直角に5.5mの線を引きその両端をゴールラインと水平に結んでできた四角い範囲をいい、ゴールキックのときにボールを置くことができるエリアです。
   
B ペナルティエリア
 両ゴールポストの内側から16.5mの所に直角に16.5mの線を引きその両端をゴールラインと水平に結んでできた四角い範囲。ゴールキーパーは、このエリア内(自陣)でのみ手でボールを扱うことができます。また、ペナルティキックの際にはキッカーとキーパー以外はこのエリアの外に出なければなりません。ゴールキーパーはこのエリアの中ならボールを持ったまま自由に歩けます。ただしボールを持てる時間は6秒間だけです。
   
C ペナルティマークとペナルティアーク
 両ゴールポストの中心から11m離れた地点にペナルティキックを行うときにボールを置く位置を示すペナルティマークを印します。 ペナルティマークからペナルティエリアの外に描かれる半径9.15mの円弧はペナルティアークと呼ばれ、ペナルティキックの際には、キーパーとキッカー以外はペナルティエリアとペナルティアークの外に出なければなりません。
   
D コーナーエリア
 コーナーフラッグポストから半径1mの円弧を描いたエリア。コーナーフラッグ1.5m以上なければならず、タッチラインとゴールラインの交点上に垂直に立てます。このエリアはコーナーキックの時にボールを置くエリアで、そのときボール全体がこのエリア内に入っていなければなりません。
   
E ゴール
 ゴールはそれぞれのゴールラインの中央に置かれ、コーナーフラッグポストから等距離に垂直に立てられた2本のゴールポストとその頂点を結ぶクロスバーからなります。
ゴールは幅(ゴールポストの内側の間隔)が7.32m、高さ(クロスバーの下端からグランドまでの間隔)は2.44mとされています。

(本田 貫一郎 記)