2年間の国際委員会等の活動について

前国際委員会委員長 中西 倭夫

 
 日本公認会計士協会近畿会の国際委員会委員長を拝命して早くも2年になりこのたび退任することになりました。国際委員会委員の皆様、事務局の皆様の多大な御協力によりなんとか任期を全うすることができほっとしています。任期中に日本、韓国、中国、の会計基準の比較(国際会計基準を中心として)を完成することができ、今後の日本の会計の進むべき方向を考える上での資料の提供に貢献できたと自負しています。この資料の作成の過程で日々変化する国際会計基準と、少し変化のテンポの遅い3カ国の会計基準との違いを実感し、国際的な会計基準の困難な要因が理解できた気がしています。また他国の会計基準を知ることで、より深く自国の会計基準を知ることにつながったと思います。
 ただ今回の委員会活動で感じた限界もありました。委員の皆様がたいへん有能なため多忙を極め、ゆっくりと食事をしながら話し合う機会を作れなかったことです。また韓国、中国の会計に関する最新情報が英語、日本語等に翻訳されていないため、言葉の壁に直面したことも印象に残っています。日本の会計に関しても諸外国から見た場合、英語での情報発信がないと、不思議の国の会計基準との誤解が生じる恐れが多いと感じました。今後は可能な限り、会計および監査についての日本の実情の説明を英語で発信できる努力が必要だとの思いが強くなりました。
 国際委員会以外の関連活動で、国際交流特別委員会の委員として、韓国公認会計士会釜山支会との交流の実現に寄与できました。この交流を基に今後近畿会がますます国際化を進められることを期待しています。
2年間の近畿会の活動により、人生における貴重な体験を得たことにたいへん感謝しています。ありがとうございました。