監査会計委員会活動の2年間を振り返って |
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前監査会計委員会委員長 北山 久恵 |
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![]() この2年間、監査会計委員会では、全員参加型の委員会活動を目指してきました。テーマ別に小委員会を設置し、委員全員に登録していただき、調査研究活動を行って、順次、研究成果を発表するという形で、委員全員に委員会活動に自主的に(あるいは半強制的に)参画していただきました。 また、会計・監査が最近注目されていることもあり、外部諸団体から情報交換の要望が多く寄せられ、次のように多方面との協議会や研究会の開催が求められ、各小委員会で対応していただきました。 |
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(1) | 監査役協会:「連結計算書類の監査」 |
まず、従前からの監査役協会関西支部との共同研究会は、平成16年4月からの連結計算書類の導入を受けて、「連結計算書類における連結子法人等の計算書類の監査」に関する監査役と会計監査人の連携について、研究報告をとりまとめ、公表しました。監査役は、連結監査に初めて取組まれるということで、真剣な議論が繰り返されました。研究報告についても、西日本各地での研修会に講師としても参加して普及活動にも携わり、合宿も実施して、充実した活動ができました。 | |
(2) | 不動産鑑定協会:「固定資産の減損会計」 |
固定資産の減損会計の導入を受けて、不動産鑑定協会近畿地域連絡協議会と、平成16年3月期、平成16年9月中間期からの早期適用会社の事例研究や実務上の具体的な取扱いや課題等について協議を行ってきました。その成果物として、会計士協会近畿会・兵庫会・京滋会と不動産鑑士協会近畿地域連絡協議会との共著『不動産鑑定と会計のプロが書いた減損会計Q&A』を、平成17年5月末に出版しました。また、平成17年6月2日には、一般事業会社向けに、平成18年3月期からの減損会計の強制適用に向けての実務対応ためのセミナーを開催いたします。出版に当たっては、校正が4月末からゴールデンウィークの期末監査繁忙期と重なったため、深夜12時まで何度も最後の追い込みを行ったのも、忘れられない思い出です。いざという時の底力は、すごいものだなと感心しました。会社の経理担当者や公認会計士・不動産鑑定士などの実務家のハンドブックとして利用していただければ幸いです。 | |
(3) | 学会:「ゴーイング・コンサーンと、将来予測情報の監査」 |
・ | 平成16年9月に開催された日本監査研究学会全国大会に参加し、「財務会計の質的変革と監査意見―将来予測情報をベースにした会計処理への監査面からの対応や問題点」を発表しました。 |
・ | 平成16年10月には、西日本監査研究学会で「ゴーイング・コンサーンの開示事例」を発表し、大学の教授方との意見交換を行いました。 |
・ | 現在、課題別研究:「将来予測情報の監査―ゴーイング・コンサーン情報等の分析―」に関する調査研究を行っており、平成17年秋開催の日本監査研究学会全国大会において、その研究成果を発表するため研究を継続して進めています。 |
(4) | 近畿財務局:「リスク情報」等 |
近畿財務局との企業財務研究会を3ヶ月に一度開催しており、企業結合会計、リスク情報、減損会計、コーポレートガバナンス、連結計算書類等をテーマとして選定し、関西地区三会が順番に発表を担当してきました。開示事例分析を中心に、実務に役立つ研究が行えたと思います。 | |
以上のように、近畿会の監査会計委員会は、監査役協会、不動産鑑定協会、学会、近畿財務局等の外部諸団体と、トピックスなテーマについて、共同研究や意見交換を定期的かつ友好的に実施してきました。これら多くの活動を行い、成果物の公表ができたのも委員全員が積極的に参加してくださったお陰です。充実した委員会活動をサポートしていただき、誠にありがとうございました。心からお礼申しあげます。 今後も引き続き、監査会計委員会の活動にご協力賜りますようお願い申しあげます。 |