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Field of Dreams 4 | ||
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常に研究し前進する |
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関西大学商学部教授 大倉 雄次郎 |
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田辺製薬で連結財務諸表、合併等に携わる | ||
![]() 私が田辺製薬に勤務する傍ら公認会計士・税理士・中小企業診断士等の国家試験に合格出来たのは、同社が薬学部を主として20人もの大学教授を輩出している企業で、常に勉強して前進しないものは取り残される前記の社風であったからである。又当時の上司と同僚の暖かい配慮で合格したのであった。 田辺製薬では財務経理統括部に属していて、田辺製薬の連結財務諸表、スズケン(売上8千億円(現在1兆円超))等の合併・営業譲渡、卸業やメーカーなど関連会社の経営・経理・税務、社外監査役などを行った。その際には公認会計士の資格がプロフェッショナルという点で社内外において高く評価された為に、合併比率の算定、監査、各種経営指導がスムーズに受け入れられ、遣り甲斐のある会社生活であった。 |
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大分大学で経済学部教授 | ||
平成7年9月に大分大学が教官公募の時に、関大出身の元公認会計士第2次試験委員小西一正奈良県立商科大学教授の紹介で大分大学大野公義教授からお誘いを受け、その時には、『利益を生むコスト管理』(中央経済社)等2冊の単著と10本の論文があり又当時奈良県立商科大学非常勤講師をしていたので、審査の上平成8年4月より文部教官・大分大学経済学部教授として学界入りが果たせた。 大分大学では学部で経営分析論、簿記論、ゼミ等を、大学院で財務諸表論特研それに論文指導を担当した。 平成10年8月には、大分大学大学院の改組に関連して、文部科学省教員審査の大学設置審議会教員組織審査「大分大学大学院経済学研究科(修士課程)地域経営政策専攻専任 教授(財務諸表論特別研究・演習・研究指導、会計学特別研究・演習・研究指導)判定結果:マル合」を取得した。 又、関西大学植野郁太名誉教授から日米英独・国際会計基準を包含した理論・制度・実務の三位一体となった『連結会計ディスクロージャーの研究』で博士論文に取りかかるようにご指導を受け,平成12年3月には関西大学から商学博士を授与されたのを昨日の事の様に覚えている。 平成12年7月より3ヶ月間King Alfred University(UK)の客員研究員となり、キャドベリー報告書やCSRの研究をした。 更に、この間に『連結会計ディスクロージャー論』(中央経済社)、『戦略的経営分析』『実践連結財務諸表』(税務研究会出版局)、『会計ビッグバン入門』(税務経理協会)などを上梓した。 大分大学地域共同研究センターの委員として、平松守彦大分県知事・木下敬之助大分市長等県市の行政機関、吉村大分商工会議所会頭、秋月県工業会々長や大分大学出身の経営者、それに県産業創造機構・県農業会議とともに、産学共同、地域振興の仕事をした。 そのお蔭で多くの知己を得て今でも大分県豊の国カボス特命大使として研修活動をしている。 |
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母校の商学部教授に | ||
平成13年4月に松尾聿正商学部教授の縁もあって業績審査に合格し、関西大学商学部の教授に就任した。 学部で税務戦略論、会計学総論、簿記演習、ゼミ等を、大学院で税務会計研究の講義・演習それに論文指導を担当している。 又、学部行政として、関大は一流会社への就職が良いが、学生の就職支援のために就職部主事や関西大学自己点検・評価委員会委員を歴任している。 更に平成14年4月―平成16年3月には連結納税の研究に対して文部科学省の科学研究費補助金(基盤研究C)を受けたため、東京証券取引所の上場会社への大掛かりなアンケートやアメリカでの調査を実施した。この成果は近く『連結納税会計論』(関西大学出版部)として上梓することになっている。 関大では、同僚と総合図書館等の恵まれた研究環境の中で、『企業評価入門』(中央経済社)、『税務会計入門』(森山書店)、『入門・新会計基準の会計と税務』(税務経理協会)などを上梓している。 お陰でゼミ生の中にも公認会計士の志望者も多いので、問題演習や論文の書き方を、就職の学生にはトヨタ自動車、キャノンの見学も行っている。 講義やゼミでは、学生に対して自立して生きて行く為に専門性を高める事、目先の損得にとらわれない人間関係の尊さ、継続的な努力が道を拓く事を教育している。 常に研究し前進する精神で、前向きで熱心な関大の学生と共に第三の青春の真只中にいるこの頃である。 |
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(注)各人の肩書は当時のもの |